台風20号(アッサニー)発生
10月としては過去最多の発生数
2020/10/29 22:54 ウェザーニュース
10月29日(木)21時、カロリン諸島で発達中の熱帯低気圧が台風20号(アッサニー)になりました。
今月7つ目の台風発生で、2013年や1992年、1984年に並ぶ過去最多です。
台風20号は発達しながら西進するものの、台風19号などに比べると少し北よりに進む可能性があり、11月2日(月)以降は予報円が大きくなっています。今後の進路の変化に注意が必要です。
▼台風20号 10月29日(木)21時
存在地域 カロリン諸島
大きさ階級 //
強さ階級 //
移動 北 20 km/h
中心気圧 1000 hPa
最大風速 18 m/s
最大瞬間風速 25 m/s
台風が4つ連続で南シナ海を西進
今月中旬の気圧配置(概略)
今月これまでに発生した台風は、南シナ海を西に進む進路をとったものが多く、台風15号、16号、17号、18号に続いて、今回の19号も同様の進路を取る見込みです。なお、16号の後を追うように進んだ別の熱帯低気圧も同様の進路を取っていました。
台風がこのような進路をとるのは太平洋高気圧の偏りが影響しているものとみられます。夏の日本を覆う太平洋高気圧は既に本州の南へ離れていますが、今年は平年よりも西方向に大きく張り出している状況で、フィリピン付近で発生した台風が北上しにくくなっています。そしてこの太平洋高気圧の周囲の風の流れに乗って、フィリピン付近の緯度のまま西に進むことが多いというわけです。
こうした状況は11月にかけても続く見込みで、台風が発生しても日本には接近しにくいとみられます。一方で、10月上旬からたびたび大雨に見舞われているベトナムなどは台風の影響を受けやすい状況が続き、被害の拡大が懸念されます。
10月に入って7つ目の台風発生
平年の台風発生数
今回の台風20号は今年10月に入ってから7つ目に発生した台風です。10月の台風発生数の平年値は3.6個なので、平年の約2倍に当たります。
例年は11月でも2~3個の台風が発生しますので、南の海の台風シーズンはまだ終わりとは言えません。
台風の名前
台風の名前は、国際機関「台風委員会」の加盟国などが提案した名称があらかじめ140個用意されていて、発生順につけられます。
台風20号の名前「アッサニー (Atsani)」はタイが提案した名称で、雷のことを意味する言葉です。