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台風10号 930hPaと特別警報級の勢力で接近 週末は過去にない暴風や高潮のおそれ

2020/09/02 16:22 ウェザーニュース

9月2日(水)15時現在、台風10号(ハイシェン)はマリアナ諸島を西に進みながら発達中です。

今後は記録的に暖かい海面水温の影響で猛発達し、4日(金)には「非常に強い」勢力、5日(土)には「猛烈な」勢力になる見込みです。発達ピークに近い勢力を保ったまま、6日(日)に九州などに近づくおそれがあります。

中心気圧は日本列島に近づいても930hPaと「特別警報級」。やや進路は西よりに変化しているものの、過去最強クラスで近づくため、上陸しない場合でも近くを通れば甚大な被害につながる危険性があります。最悪のケースを想定して極力早めに台風への備えを行うようにしてください。

▼台風10号 9月2日(水)15時
 存在地域   マリアナ諸島
 大きさ階級  //
 強さ階級   //
 移動     西 15 km/h
 中心気圧   990 hPa
 最大風速   25 m/s (中心付近)
 最大瞬間風速 35 m/s
>>最新の台風情報

日本沿岸まで海面水温高く 台風は発達したまま接近

海面水温の解析(ピンクが30℃以上の海域)
今年は海面水温の高い海域が例年よりかなり北に広がっていて、台風10号の進む領域は30℃以上の異例の暖かさとなっています。一般的に、海面水温が28℃程度以上であれば台風が発達しやすく、さらに上空の風が弱いなどの条件が揃えば、より急速に発達します。

本州沿岸でも海面水温が高いことから、日本に上陸直前になっても普通の台風のように勢力を落とさず、6日(日)15時の予想は中心気圧930hPa、最大風速50m/s、最大瞬間風速70m/sの「非常に強い」勢力が予想されています。発達最盛期の勢力で、接近もしくは上陸することになる見込みです。

▼予報 4日後 9月6日(日)15時
 存在地域   九州の南
 強さ階級   非常に強い
 移動     北北西 25 km/h
 中心気圧   930 hPa
 最大風速   50 m/s (中心付近)
 最大瞬間風速 70 m/s
>>台風10号による各地への詳しい影響予測

過去にないような暴風や高潮に見舞われるおそれ

高潮のメカニズム
予想通りの勢力で接近・上陸した場合は大雨、暴風、高潮を中心に甚大な被害が予想されます。

九州の本土で最大瞬間風速60m/sを観測したのは、1945年の鹿児島県枕崎市(62.7m/s:枕崎台風)、2004年の雲仙市・雲仙岳(63.7m/s:台風23号)、1999年の熊本県天草市・牛深(66.2m/s:台風18号)など数回しかありません。九州に上陸もしくは西岸ギリギリを通った場合は、過去に経験したことがない暴風に見舞われるおそれがあります。

また、中心気圧が非常に低いことで、高潮も危険です。気圧の低下による吸い上げ効果と、暴風による吹き寄せ効果が重なった場合は、記録的な高さの潮位になってもおかしくありません。高潮は台風の進路によって、影響の大きいエリアが変化しますので、必ず最新の予想進路を確認してください。

統計開始以来最強クラスで接近・上陸のおそれ

上陸時の中心気圧が低い台風(気象庁)
中心気圧930hPaで上陸すれば、1951年の統計開始以来3番目で、「第2室戸台風(上陸時925hPa)」、「伊勢湾台風(上陸時929hPa)」といった歴史的な災害をもたらした台風に匹敵することになります。

近畿地方で顕著な暴風、高潮の被害を引き起こした2018年21号以上の勢力が予想されているため、それだけ被害が大きくなってもおかしくありません。

出来る備えは一刻も早く

飛ばされやすい物を片付けるなどの対策や、非常持ち出し袋の中身の確認、必要な備品などの購入は、早い段階で行うことをおすすめします。

ただし、商品の数には限りがあるので、無駄な買い占めは行わず、本当に必要な物を必要な数だけ購入するようにしてください。

台風の名前

台風の名前は、国際機関「台風委員会」の加盟国などが提案した名称があらかじめ140個用意されていて、発生順につけられます。

台風10号の名前「ハイシェン(Haishen / 海神)」は中国が提案した名称で、文字通り海の神という意味です。
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