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桜の健康診断結果 健康度は悪化傾向

全国2,500本以上の桜を診断!桜健康診断2020

2020/06/19 13:51 ウェザーニュース

ウェザーニュースでは毎年、美しい姿で楽しませてくれる桜を見守り、桜を大切にする気持ちを広く育むことを目的として「桜の健康診断」を実施しています。
健康診断では6つの質問に答えて頂き、その結果の健康度を指数化し、「優良(+)」から「生育不良(-)」の12段階で判定しました。
◆「桜の健康診断」の概要
・エリア:46都道府県(沖縄除く)
・調査期間:3/15~5/28
・参加人数:2,589人
・質問項目:6つ(「日当たり」、「樹形」、「花の咲き方」、「幹の状態」、「樹皮の状態」、「花数」)

全国でみる桜の健康度

2013年から全国平均の桜の健康度を見ると、2020年の健康状態は悪化傾向が続いていることが分かりました。
2015年の1.65と比較すると2020年は1.74と健康度が0.09悪化しており、樹勢が衰退傾向にあると言えそうです。

桜の健康度を12段階で評価

桜の健康度を細かく分類して昨年と比較してみると、「優良(+)」、「優良」、「優良(ー)」、「正常(ー)」、「やや生育不良」、「生育不良」の比率についてはほぼ変化はみられませんでした。
しかし、「正常(+)」は昨年より8%と大きく減少し、代わりに「正常」が大きく増加。このことが、全体として桜の健康度を悪化傾向へと引き下げる結果となりました。

都道府県における桜の健康度

※2020年について報告が一定数に満たないエリアは灰色で表示しています。
都道府県ごとの桜の健康度のランクをみると、宮城県や鳥取県と2つの県は「優良」へランクが上がっています。さらに8つのエリアで「正常(+)」から「優良(ー)」へとランクを上げています。一方で、北海道は「正常」へとランクを落とし、他に6つのエリアでは「優良(ー)」から「正常(+)」へとランクを下げている結果となりました。

桜の健康度が低下すると?

健康度が低下しても、1~2年単位ではほとんど気づきません。ただ低下傾向が5年も続くと太枝が2、3本は枯れるリスクがあります。そうすると、春には花の咲き方が寂しい桜となってしまいます。

桜の健康診断への想い

ソメイヨシノの寿命は60年と言われています。ソメイヨシノは戦後に多く植えられたため、当時植えられたものはすでに寿命を過ぎています。弱った桜・病気の桜が増えるのは自然のことです。
私たちには病気の治療や土のマッサージなど手当てを行うことで寿命を延ばすことができます。

今年は新型新型コロナウイルスの影響で、お花見なども十分に楽しむことができなかった方も多くいらっしゃると思います。その分、身近な桜の大切さや想いを感じた方も多くいらっしゃったようです。

来年も変わらぬ姿で咲く桜を皆さんと一緒に健康状態の変化を追いながら、桜を大切にする輪を広げていきたいと思います。