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“ゲリラ豪雨”発生数
全国的に昨年の半分だった

2017/10/25 15:31 ウェザーニュース

夏の風物詩、夕立。
現代では『ゲリラ豪雨』という風物詩とはとても言い難い、影響力の高い気象現象として変貌を遂げています。

今年の夏は…「夏ってありましたっけ?」と言いたくなるくらい、夏らしい夏ではありませんでしたね。

その証拠が『ゲリラ豪雨』に関するデータを通し、改めてわかりました。

発生回数は昨年の半分

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今シーズン(7月10日~9月30日)の全国のゲリラ豪雨の発生回数は合計3,479回で、ゲリラ豪雨が多発した昨年(7,498回)と比較すると、発生回数は全国平均で0.5倍、関東で0.3倍、ほとんどの都道府県で0.8倍未満と昨年よりも少なくなりました。ゲリラ豪雨が最も多かった都道府県は、福岡県204回で、次いで兵庫県195回、大阪府177回でした。

7月に集中発生

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月別に見ると、全国のゲリラ豪雨の発生回数は7月2,000回、8月1,131回、9月348回と、7月がピークのスタートダッシュ型でした。

この原因は、西に強く張り出した太平洋高気圧と、東北や北陸付近で停滞した梅雨前線、上空の強い寒気です。7月は高気圧の縁をまわり、湿った空気が前線に向かって流れ込んだため、九州北部や中国地方、近畿ほどゲリラ豪雨が多くなりました。

また、7月中旬は、上空5,800m付近に−9℃と強い寒気が南下したことで、東・北日本でもゲリラ豪雨が発生しやすくなり、東京都内をはじめとする関東南部を中心にアラレやヒョウが降るなど、激しい雷雨となりました。落雷による停電や大雨による浸水が起こり、大都市の交通機関や生活に大きな影響が出ました。

減少の理由は?

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今年の8月は太平洋高気圧が平年よりも西へ強く張り出し、東・北日本にはオホーツク海高気圧の縁から冷たく湿った空気(やませ)が流れ込んだ影響で、北・東日本を中心に記録的な日照不足、長雨となりました。

また、全国的に前線や低気圧の影響を受けやすく、ゲリラ豪雨が発生しにくい気象条件が続いたことが大きな要因です。

数は少なくとも社会的影響は大

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今シーズンはゲリラ豪雨の発生回数が少なくなりましたが、発生した際は様々な被害をもたらし、社会的影響も大きい事例が目立ちました。このことからも、ゲリラ豪雨は回数の多寡を問わず警戒が必要な気象現象と言えます。

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