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全国6000本の桜を診断!健康状態は過去最悪レベルに

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2017/06/06 13:06 ウェザーニュース

ウェザーニュースでは毎年、美しい姿で楽しませてくれる桜を見守り、また桜を大切にする気持ちを広く育むことを目的として「桜の健康診断」を実施しています。
健康診断では6つの質問に答えて頂き、その結果の健康度を指数化し、「優良(+)」から「生育不良(-)」の12段階で判定しました。


◆「桜の健康診断」の概要
・エリア:46都道府県(沖縄除く)
・調査期間:3/14~5/21
・参加人数:6,156人
・質問項目:6つ(「日当たり」、「樹形」、「花の咲き方」、「幹の状態」、「樹皮の状態」、「花数」)

全国でみる桜の健康度

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<ランク>1.26~1.50:優良(+)、1.51~1.75:優良

昨年同様、悪化傾向が続く

2011年から全国平均の桜の健康度を見ると、調査開始以来、最も悪い結果であった2016年と同じ値となり、健康状態は悪化傾向にあることが分かりました。
2011年の1.49と比較すると2017年は1.70と0.21健康度が悪化しており、樹勢が衰退傾向にあると言えそうです。

都道府県における桜の健康度

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全体的に悪化傾向
北海道や宮崎は台風の影響も

都道府県ごとの桜の健康度をみると、多くの地点で優良(-)となったものの、昨年より「正常(+)」のエリアが増加し、健康状態は悪化の傾向となりました。特に、北海道、青森県、熊本県、宮崎県は2年連続で「正常(+)」となりました。

健康度をランキングにすると、最も健康状態が良かったのは大分県となり、2位が山形県、3位が徳島県に。
一方、最下位46位は宮崎県、45位は北海道となり、2016年の夏における台風が一因と考えられ、桜の根や枝、芽が傷んだ可能性があります。

桜の健康度が低下すると?

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健康度が低下しても、1~2年単位ではほとんど気づきません。ただ低下傾向が5年も続くと太枝が2、3本は枯れるリスクがあります。そうすると、春には花の咲き方が寂しい桜となってしまいます。

日本花の会 樹木医 和田博幸さんより

「桜の生育環境は悪化する傾向にあると思っています。夏の高温と乾燥、そしてヒートアイランド現象。さらに暖冬の傾向が桜を弱らせる要因です。その傾向が西日本の方がよりはっきり出てもいいと思っていましたが、今回の調査結果では顕著に現れていないので、単純ではないということかもしれません。やはり長期的に桜を観察していくことが非常に重要です。今後も継続的に、サポーターの皆さんと調査を実施し、みんなで日本の桜を見守っていきましょう。」

桜の健康診断への想い

ソメイヨシノの寿命は60年と言われています。ソメイヨシノは戦後に多く植えられたため、当時植えられたものはすでに寿命を過ぎています。弱った桜・病気の桜が増えるのは自然のことです。
私たちには病気の治療や土のマッサージなど手当てを行うことで寿命を延ばすことができます。
春に美しい姿で楽しませてくれるニッポンの桜…皆さんと一緒に恩返ししていきたいですね。 
また来年以降も桜の健康状態の変化を追って、桜を大切にする輪を広げていきたいと思います。
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