天気痛予報 2月上旬は広範囲で"警戒"ランク 長引くおそれも
2025/02/01 14:00 ウェザーニュース
今日2月1日(土)、年明けから1ヶ月が経過しました。イベントの多い年末年始後に生活リズムを取り戻す中で体調が安定しづらく、疲れが慢性化しやすい時期です。
来週にかけて南岸低気圧の通過や今季一番の寒波で、気圧の変化が大きくなる見込みです。そのため、「天気痛」が起こりやすくなる可能性があります。
ウェザーニュース発表の天気痛予報では、広範囲で「警戒」から「やや注意」ランクの予想です。気圧変化などで頭痛や関節痛などの天気痛・気象病の症状が出やすい方はご注意ください。
身体の不調が長引くおそれ
今日から明日2日(日)にかけて、日本の南岸を低気圧が東へ進みます。低気圧の接近・通過に伴い、西日本から東日本では天気痛が起こりやすくなるとみており、東京や大阪、福岡では「警戒」ランクの予想です。
3日(月)は西からだんだんと冬型の気圧配置に移行し、週末にかけて継続する見込みです。広範囲で気圧の変動が大きくなります。個人差はありますが、頭痛や関節痛などの天気痛の症状が出やすくなるため、注意が必要です。
冬型の気圧配置がいつ解消されるかは不確実で、継続する可能性もあります。もし長引いた場合、天気痛の症状が続くおそれもあるため、随時情報をご確認ください。
冷えが症状悪化につながることも
来週は今季一番の寒波で、広い範囲で真冬並みの寒さとなる見込みです。冷えによって天気痛が悪化する可能性があるため、対策が大切です。
身体を温めることが予防につながるため、お風呂に浸かる、冬用の小物を活用するなどして、冷気から身を守るよう心がけてください。
天気痛は「気圧」がポイント
晴れや雨などの天気の変化だけでなく、気温や湿度のほか気圧なども大きく関係していると言われています。
特に気温・湿度については、「暑い・寒い」、「湿っている・乾燥している」など、日々の体感で変化を感じられますが、気圧の変化についてはなかなか体感で感じることができません。
ウェザーニュースの天気痛予報は、原因となる気象要素の中でも、肌で実感しにくい気圧の変化に着目して天気痛の予測ロジックを組み立てています。
(2)1日2回、ほぼ決まった時間で繰り返す気圧のアップダウン(大気潮汐)
一方で、天気図には明瞭に表現されることがないが天気痛を感じるパターンがあります。これは「大気潮汐」が関係している可能性があると考えられています。
大気潮汐を分かりやすく説明すると、昼間に太陽光で大気が温められることや日没後に冷やされることなどよって発生する周期的な気圧変化の事を指し、図のように1日2回、気圧のアップダウンを繰り返す半日サイクルの変動の気圧変化となります。
この周期はヒトの生体リズムの周期と一致している可能性があり、(1)の天気図レベルの気圧変動と比較すると1/1000レベルの変化となっていますが、天気痛の引き金となります。
この変化は一般的に9時頃と21時頃に高く、3時頃と15時頃に低くなります。低気圧や台風などが存在しない時でも気圧の変動幅は数hPa程度あるようです。
このアップダウンの変動の幅が平均的な状態より大きくなった時にも天気痛発症のリスクが高まるということもこれまでの調査から分かっています。
(3)周期性のある小さな気圧変動
最後に、微気圧変動と呼ばれるもので先ほどの大気潮汐よりも小さな変化となり、(1)の天気図レベルの気圧変動と比較すると1/10000レベルのごく微小な変化に相当するものです。
微気圧変動の例としては、低気圧接近時や積乱雲の発生時、山越えの気流の影響で発生します。
微気圧変動に伴う気圧変化量1hPa以下で、継続時間は数分から数十分程度と短いですが、発生すると1日に複数回押し寄せるパターンが多いです。
上記2パターンよりも小さく細かい振動ですが、天気痛に敏感なセンサーをもった方はこのような微小な変化でも影響があると考えられています。