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鯉のぼりはいつまでに飾って、いつまでにしまう? 鯉のぼりの「時期」とは

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2024/04/25 05:05 ウェザーニュース

まもなく端午の節句がやってきます。男の子の健やかな成長を願って、5月5日の子どもの日は、五月人形を飾り、鯉のぼりを立てて祝います。

そんな風習は、いつからどんな理由で始まったのでしょうか。また、鯉のぼりはいつまでに飾って、いつまでにしまえばいいのでしょうか。

鯉のぼりをめぐるさまざまな疑問を、1852年の創業以来、人形づくりの伝統を守り続けている「人形の東玉(とうぎょく)」に教えていただきました。

鯉のぼりの由来

鯉のぼりは、いつ頃どのような理由で始まったのでしょうか。

「鯉のぼりのおおもとは、戦国時代に武将たちが戦のときに立てた“旗指物(はたさしもの)”に由来するといわれています。この旗指物には家紋が付けられていました。

やがて武家の間で、端午の節句(たんごのせっく)にこの旗指物を飾る風習が生まれました。跡取り息子が生まれたことを幟旗(のぼりばた)で知らせて祝うようになったのは、江戸時代の中頃です。

江戸時代の庶民はそれにあこがれ、幟旗の代わりに鯉のかたちの旗をつくって端午の節句に飾るようになりました。このときデザインに鯉が選ばれたのは、“登竜門伝説”に由来します。鯉が激しい滝を登り切って竜になるという話から、鯉は立身出世の象徴とされていたのです。

さらに鯉という魚は、とても元気でどんな水(場所)でも生きられます。子どもが元気よく育ち、立身出世しますようにという願いを込めて、多くの家庭で鯉のぼりが飾られるようになりました」(人形の東玉)

いつまでに飾って、いつまでにしまうべき?

鯉のぼりは、ひな祭りのお雛様のように、“いつまでに飾っていつまでにしまうべき”という決まりはあるのでしょうか。

「鯉のぼりは、いつまでに飾らなければならないという決まりはありません。一般的には3月末頃から4月上旬頃に飾られることが多いようです。

この時期は、天候が不安定な時期でもあります。どうしてもこの日と決めずに、天気が良い日を選んで飾るといいでしょう。

しまう時期についても、いつまでにしまわなければならないという決まりはありません。ただ、季節の風物詩なので、あまり長く飾っておくのは考えものです。

遅くとも5月中頃を目安にするとよいと思います。端午の節句の後は梅雨の時期になってしまうので、その前にしまいましょう」(人形の東玉)

鯉のぼりをしまうときの注意点

鯉のぼりをしまうときは、どんなことに気をつければいいのでしょうか。

「必ず乾燥した清潔な状態でしまってください。決して湿気を帯びた状態でしまってはいけません。保管中にカビが生えてしまうかもしれないので、お天気の良いからっと晴れた日に、ホコリを払ってしまいましょう。

台所用液体洗剤を使い、汚れた部分の押し洗いをしてシワにならないよう、すぐによく干してからしまうとよいでしょう。

鯉のぼりを屋外に飾る場合、雨の日と夜間は屋内にしまったほうがいいでしょう。撥水加工が施されているとはいえ、雨風にさらされると傷みの原因になります。天気の良い昼間だけ飾るのが、屋外用の鯉のぼりをきれいなまま長持ちさせる秘訣です。

最近の天候は、昔に比べると風が強くなっています。あまり強い風だと鯉のぼりが飛ばされてしまう危険があるので、風が強い日も揚げるのを控えましょう」(人形の東玉)

初夏の空にはためく鯉のぼりは、眺める人の心を爽やかにしてくれます。お子さんのいらっしゃるご家庭は、ぜひ鯉のぼりを飾って初夏の空を楽しみましょう。
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取材協力
人形の東玉(https://www.tougyoku.com/)