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西・東日本ではスギからヒノキ花粉へ移行中、本格飛散は4月中旬まで

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2024/03/28 12:01 ウェザーニュース

ウェザーニュースが発表した花粉の最新見解によると、西日本や東日本ではスギからヒノキ花粉へ移行中で、本格的な花粉飛散は広範囲で4月中旬までの予想です。
また、3月20日までのスギ・ヒノキ花粉の飛散量は、大量飛散した2023年と比べると大幅に減少したことがわかりました。

■ポイント ■

・特徴:気温の変動大きく、2月下旬や3月中旬にスギ花粉の飛散ピーク
・飛散量:3月20日までの全国の花粉飛散量は前年同時期の4割弱
・症状:大量飛散した時は2023年のピークを超える日もあり、つらいと感じる方が多かった

【現在の飛散状況】
西・東日本ではスギからヒノキ花粉へ移行中

現在、九州から東北で花粉が飛散しています。西日本や東日本ではスギ花粉の飛散が減少し、九州や東海、関東からヒノキ花粉の飛散が増えてきています。
今後、その他のエリアでもヒノキ花粉の飛散が増えてくる予想です。

北陸や東北ではスギ花粉が本格的に飛散している状況です。北海道のシラカバ花粉はまだ飛散が始まっていません。

【今後の飛散予想】
本格的な花粉飛散は西・東日本の広範囲で4月中旬まで

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<ヒノキ花粉>
今後、中国・四国から東北南部ではスギ花粉の飛散が減少し、4月上旬から中旬にかけてヒノキ花粉が本格的に飛散する見込みです。

すでにヒノキ花粉の飛散が本格化している九州では、4月上旬まで本格的な飛散が続きます。現在スギ花粉の飛散ピークとなっている東北北部では本格的な飛散が4月中旬まで続く予想です。

<シラカバ花粉>
これからシラカバ花粉のシーズンを迎える北海道では、4月中旬以降に各地でシラカバ花粉が飛び始めます。

本格的な飛散は道南や道央で4月下旬から5月上旬、道北や道東では5月上旬から中旬で、ちょうどゴールデンウィークと重なる可能性があります。5月下旬には飛散量は少なくなる見込みです。
» 花粉カレンダー

【今シーズンの特徴】
3月上旬の寒の戻りの影響でスギ花粉のピークが2回

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今年は2月上旬から3月中旬にかけて気温の変動が大きく、スギ花粉の飛散開始もその影響を受けました。

2月中旬の記録的な暖かさの影響で飛散開始の直後から飛散量が急増し、九州から東北太平洋側の各地で飛散が本格化しました。このため、2月中旬に飛散開始となった多くのエリアで、飛散開始から短期間(5日以内)で本格飛散開始となりました。

2月下旬からは一転して気温が下がり、3月上旬を中心に平年より低い気温になりました。

3月中旬になって再び平年並〜平年より高い気温に戻りましたが、低温の影響で3月上旬はスギ花粉の飛散量が抑えられ、この期間の前後となる2月下旬や3月中旬にスギ花粉の飛散ピークを迎えたエリアが多くなりました。

飛散量の変動大きく、発症時期にばらつき

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飛散時期による花粉症の発症時期への影響を調べるため、スマホアプリ「ウェザーニュース」で調査(※2)を実施したところ、「例年通り」と回答した方が48%と最も多く、次いで「早かった」が41%、「遅かった」が11%となりました。

2023年と比べると「早かった」が14ポイント減少し、「例年通り」と「遅かった」がそれぞれ7ポイントずつ増加しました。

今年は気温の変動によって飛散量も大きく変動したため、花粉症の発症の時期も人によってばらつきが出やすかったのではないかと考えられます。

※1 花粉飛散の平年:2014〜2023年の過去10年平均
※2 スマホアプリ「ウェザーニュース」にて「今年の花粉症、症状が出た時期はどう?」と質問し(選択肢:“早かった”“例年通り”“遅かった”“花粉症ではない”)、“花粉症ではない”の回答を除いて集計(調査期間:2024年3月19日、回答数:9,256)。

3月中旬までの飛散量は前年比で大幅減

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ウェザーニューズ独自の花粉観測機「ポールンロボ」による観測では、2024年2月1日から3月20日までの全国の花粉飛散量は前年同時期の4割弱となりました。

全国的に飛散量が前年を大きく下回り、前年比で1割程度のエリアもあります。東京都では飛散量が前年の87%でした。

飛散量が多かった前年からの反動に加えて、広範囲で花粉飛散が本格化した後、2月下旬以降に前線や低気圧の影響で雨や曇りの日が多くなったことが、3月中旬までの飛散量の減少に寄与したと考えられます。

また、全国的に見るとヒノキ花粉の飛散開始が昨年より遅いこと、東北北部ではスギ花粉のピークも遅れていることも飛散量の減少に影響していると考えられます。

花粉症の症状は東海や関東・山梨でつらい傾向に

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花粉症の症状のつらさはどうだったのか、スマホアプリ「ウェザーニュース」のユーザーから寄せられた症状報告を集計しました(※3)。集計の結果、エリアごとで傾向が異なる結果となりました。

症状がつらい人の割合を2023年と比較すると、北陸・長野や中国・四国はつらい割合が減少したことがわかりました。

一方で、東海や関東・山梨はつらい割合が増加し、花粉症の方には過酷な春となったようです。期間全体の花粉飛散量は2023年より少ないものの、大量飛散した時は2023年のピークを超える日もあり、つらいと感じる方が多かったと考えられます。

※3 スマホアプリ「ウェザーニュース」の「花粉Ch.」において、2024年2月1日~3月20日に花粉症のユーザーから寄せられた症状報告(のべ76,414通)のうち、“とてもつらい”“つらい”の回答を合計し、割合で表示