facebook line x mail

正月ぼけは放置しない! 自律神経を仕事モードに切り替える3つのスイッチとは

top

2024/01/08 05:10 ウェザーニュース

正月休みや三連休が終わりを迎え、仕事・学校モードに切り替える時期になりました。例年以上に寒暖差の大きかった秋の気候も影響して、正月ぼけになっても不思議はないといいます。

正月ぼけを切り替え、元気になる3つのスイッチについて教えていただきましょう。

正月ぼけはなぜ起きる?

頭がぼーっとする、体がだるいなど、何となくいつもの調子が戻らないなら「正月ぼけ」の状態かもしれません。

ウェザーニューズ気象病顧問アドバイザーで愛知医科大学客員教授・中部大学教授の佐藤純先生は、「正月ぼけは、単なる気分や疲れではなく、自律神経の乱れがベースとなって起きている不調」と指摘します。

「自律神経とは、血圧や体温から内臓の働き、ホルモン分泌などのコントロールを行っているもの。例えば、1日のなかでも日中は活動モード、夜間はお休みモードになるよう様々な調整を行っています。

また、天気の崩れや室内外の移動など環境の変化があっても、自律神経が働くことで対応し、体内を正常に保っているのです。

今年は暖冬傾向にあるとされていますが、体にとって過ごしやすいかというとそういうわけでもありません。

12月も地域によっては一時的に強い寒気が訪れたり、朝晩と日中の寒暖差が大きいことが多く、気づかぬうちに体に負担がかかっていたと考えられます。

そこへ年末年始特有の忙しさや、暴飲暴食、生活リズムの崩れなどが重なり、自律神経が乱れてまうことがあるのです。

頭で仕事始めとわかっていても、体は活動モードにうまく切り替えられないわけです。頭がぼーっとしたり、だるさを感じるのが典型的な正月ぼけですが、昼間の眠気、不安、イライラなども困りますね」(佐藤先生)

仕事モードに切り替える3つのスイッチ

box1
仕事モードに切り替えるスイッチ
仕事や学校が始まる前に、何とか切り替えることはできないのでしょうか。

「自律神経の乱れを悪化させないためにも、出かける時の寒さ対策はきちんとしておきましょう。その上で自律神経を整え、活動モードに切り替えるための“スイッチ”を刺激してみましょう。ここで紹介するのは、使いやすい耳、首、足(足首)の3つです。

耳を温めると、気圧センサーの備わっている内耳の血液やリンパ液の循環がよくなり、自律神経の乱れを改善します。

また、首や足首は体表近くに太めの血管が通っており、冷やしたくない部位です。ここを温めたり刺激することで血流がよくなり、自律神経を安定させるのに役立ちます」(佐藤先生)

▼「耳」を温める


「簡単なのは耳を温める方法です。ホットタオルで耳全体を覆ったり、60〜70℃の湯を入れたペットボトルを耳の後ろに当てて温めます。熱すぎると逆効果になるので、注意しましょう。

さらに『くるくる耳マッサージ』を行うと、耳周りの血流を改善します」(佐藤先生)
box2
くるくる耳マッサージ
【くるくる耳マッサージ】
(1)親指と人差し指で両耳を軽くつまみ、上・下・横に、それぞれ5秒ずつ引っぱる
(2)耳を軽く横に引っぱりながら、後ろ方向に5回、ゆっくりと回す
(3)耳を包むように折り曲げて、5秒間キープする
(4)手のひらで耳全体を覆い、後ろ方向に円を描くようにゆっくりと回す。これを5回行う。

▼「首」を温める


「首は耳に血液を送っている部位です。耳同様にホットタオルやペットボトルで温めたり、『首ほぐし』をすることで、こりをほぐして血行を改善しましょう」(佐藤先生)
box3
首ほぐしの方法
【首ほぐし】
(1)タオルを首にかけて、片側の端をもって固定する
(2)1と反対側の端を持ち、耳の後ろの後頭部のでっぱりにひっかける
(3)タオルを頭蓋骨に沿わせて斜め上に引っ張り、そのまま10秒キープする。反対側も同様に行う

▼「足」を温める


「自律神経を整えるためには、軽めの運動やストレッチが全身の血流を改善して役立ちます。『つま先立ちストレッチ』は、足の血流をよくするのに効果的。通勤中の待ち時間やオフィスの片隅でさりげなく行えます」(佐藤先生)

【つま先立ちストレッチ】
(1)かかとを床につけて、まっすぐ立つ
(2)そのままかかとを上げる
(3)1と2を30回程度繰り返す

佐藤先生は、「正月ぼけは、仕事始めの時期だけでなく、ひと段落ついたころにリバウンドで起きる人もいます。今、大丈夫でも油断は禁物です。自律神経が乱れは免疫力低下にもつながり、冬に流行が心配なインフルエンザや新型コロナウイルスなどの感染症にもかかりやすくなる恐れがあります。

自律神経を整えるためには、朝はいつも通りの時間に起きて朝陽を浴びる、朝ごはんを食べる、睡眠時間を確保するなど、基本の生活リズムを取り戻すことも大切」と語ります。

まだまだ寒さの厳しい時期が続きます。正月ぼけから本格的な体調不良に陥らないよう、元気を取り戻していきましょう。

» 気圧変化·頭痛対策の参考に<天気痛予報>
» 全国の週間天気予報» ピンポイント週間天気予報
» お天気ニュースをアプリで読む» お天気ニュース 記事一覧