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今冬の降雪量は平年より少ない予想 エルニーニョ現象による暖冬の影響

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2023/11/22 13:19 ウェザーニュース

ウェザーニューズは22日(水)、この冬(2023年12月~2024年3月)の降雪傾向を発表しました。暖冬の影響で日本海側と東海以西の太平洋側では平年より少ない傾向、北日本太平洋側と関東甲信では平年並の予想です。

エルニーニョ現象などの影響もあり、上空を吹く偏西風が蛇行して日本付近では暖かい空気が流れ込みやすくなるとみています。太平洋側では低気圧通過により降水量が多くなるものの、気温が高いため降雪量としては平年並か少ない予想です。

また、寒気が入るタイミングと南岸低気圧の通過が重なると、東北南部や関東甲信を中心にまとまった雪となるおそれがあります。

冬型の気圧配置が長続きしない傾向

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現在、規模の大きいエルニーニョ現象が発生しており、来年2024年の春まで続く予想です。また、インド洋熱帯域の海面水温が西部で高く、東部で低い状態が1月頃まで続く予想です。このため、今冬はインド洋東部からフィリピン近海の対流活動が平年より不活発になり、中国内陸部での偏西風が平年よりも南を通りやすくなります。

この影響で、日本付近では偏西風が平年より北を通る予想のため、南からの暖気が入りやすくなり、寒気が南下しにくくなるとみています。そのため、日本付近では冬型の気圧配置が平年より長続きしない傾向になると予想しています。

日本海側は平年より雪が少ない見込み

北日本日本海側の降雪量では平年並か少ない、東日本と西日本の日本海側では降雪量が平年より少ない予想となっており、特に西日本と東日本の日本海側ではスキー場の雪不足が懸念されます。

日本付近では偏西風が北側に蛇行するため、暖かい空気が入りやすくなる見込みです。そのため、日本付近を低気圧が通過する頻度は平年より多くなり、東日本や西日本の太平洋側を中心に降水量は平年より多くなる予想です。

ただ、気温が高いため、降雪量としては東海から西日本太平洋側で平年並か少なくなるとみています。北日本太平洋側と関東甲信では平年並の降雪量を見込んでいますが、これは南岸低気圧の通過時にまとまった雪となる可能性があるためです。
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南岸低気圧と寒気南下が重なると関東甲信でも大雪に

雪のピークについては、北日本日本海側で1月中旬、東日本と西日本の日本海側で2月前半となる予想です。これらの時期は一年のうちでもっとも寒く、冬型の気圧配置が現れやすい時季にあたるためです。

北日本から西日本の太平洋側の雪のピークは2月前半の予想です。寒気の入るタイミングと南岸低気圧の通過が重なると、東北南部や関東甲信を中心に大雪になることも考えられます。関東平野で雪が積もった場合は交通機関への影響が大きくなる可能性もあるため、随時最新の情報をご確認ください。
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