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週刊地震情報 2023.10.8
鳥島近海で地震多発 小規模ながら津波も発生

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2023/10/08 10:05 ウェザーニュース

この1週間で国内で観測された有感地震の回数は、若干少ない水準です。

東日本から北日本で地震の発生が目立ち、鳥島近海の地震活動も活発になりました。震度3以上の地震は2回発生しています。(10月2日~8日10時の集計)

国内:鳥島近海でM6超の地震が相次ぐ

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鳥島近海の地震
5日(木)11時00分頃、鳥島近海を震源とするマグニチュード6.5、深さ17kmと推定される地震が発生しました。

この地震で震度1以上の揺れを観測した所はなかったものの、震源が浅く規模の大きな地震だったため気象庁は発生の6分後に伊豆諸島に津波注意報を発表しています。八丈島・八重根では最大で30cmの津波を観測しました。
» 【関連記事】伊豆諸島に津波注意報発表

地震のメカニズムは東北東―西南西方向に張力軸を持つ正断層型と解析され、フィリピン海プレート内部で起きたとみられます。

鳥島近海では2日(月)頃から地震活動が活発になり、3日(火)20時38分にはマグニチュード6.4が発生し、小笠原諸島・父島などで震度1を観測。6日(金)10時31分にはマグニチュード6.3(震度1以上はなし)の地震が起きました。

7日(土)になり地震活動はようやく小康状態となっています。

世界:アフガニスタンでM6.3が立て続けに2回

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世界のM4.5以上の地震(USGSホームページ引用/ウェザーニュース加工)
アメリカ地質調査所の解析によるマグニチュード6以上の地震は8回発生しています。最も大きな地震はパプアニューギニアで起きたマグニチュード6.9です。

日本時間の7日(土)午後、アフガニスタン西部を震源とするマグニチュード6.3、深さ約14kmと推定される地震が発生しました。また、そのわずか30分ほど後にもマグニチュード6.3、深さ約10kmと推定される地震が起きています。

地震のメカニズムはどちらも南北方向に圧力軸を持つ逆断層型と解析され、同タイプ、同規模の地震が連続的に発生したものです。

震央付近では最大で改正メルカリ震度階級のVIIIの強さの揺れになったとみられます。厳密な比較はできないものの、日本の気象庁震度階級に換算すると震度5強〜6弱程度の揺れに相当します。この地震で震央近くでは被害があった模様です。

アフガニスタンはユーラシアプレートとインドプレートの境界に当たる東部で地震が多く、マグニチュード7を超えるような深発地震が度々起き、パキスタンとの国境近くではマグニチュード6クラス浅い地震で大きな被害が出ています。

今回の震源付近ではユーラシアプレートとアラビアプレートの衝突が影響していると考えられています。アフガニスタンでマグニチュード6以上の地震はあまり起きていませんが、国境を超えて少し西に行ったイラン側では地震が多く、1997年にマグニチュード7.3の地震が発生し、1500人を超える死者を出しました。

世界:パプアニューギニアではM6.7とM6.9

日本時間の7日(土)夕方、パプアニューギニアの北部沿岸を震源とするマグニチュード6.7、深さ約54kmと推定される地震が発生し、6分後にはマグニチュード6.9、深さ約74kmと推定される地震が発生しました。地震のメカニズムは北北東ー南南西方向に圧力軸を持つ逆断層型と解析されています。

震央付近では改正メルカリ震度階級のVIIの強さの揺れになったとみられます。こちらの地震では大きな被害は報告されていません。

パプアニューギニア周辺は太平洋プレートとオーストラリアプレートの境界に位置しているため、地震活動が活発です。今回の震源近くでもマグニチュード7クラスの地震が頻発しています。

参考資料など

※日本国内の震源・震度の情報は特に記載が無ければ気象庁より。海外の震源情報は特に記載が無ければアメリカ地質調査所(USGS)より。発表機関により震源情報に差が生じることがあります。