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週刊地震情報 2023.5.28
5月6回目の震度5弱以上 千葉県東方沖でM6.2の地震

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2023/05/28 10:28 ウェザーニュース

この1週間で国内で観測された有感地震の回数は、先週に比べて大きく増加しました。

トカラ列島近海と、伊豆諸島の地震が大半を占め、房総半島周辺でも地震が目立っています。震度3以上の地震が11回発生し、そのうち2回は震度5弱です。(5月22日~28日10時の集計)

国内:千葉県東方沖の地震で震度5弱 プレート境界付近で発生

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千葉県東方沖の地震
26日(金)19時03分頃、千葉県東方沖を震源とするマグニチュード6.2、深さ50kmと推定される地震が発生しました。この地震で千葉県銚子市、旭市、茨城県神栖市で最大震度5弱、千葉県東金市、香取市、成田市、茨城県潮来市、鹿嶋市、ひたちなか市などで震度4、関東や東北南部の広範囲で震度3の揺れを観測しています。

地震のメカニズムは東西方向に圧力軸を持つ逆断層型で、太平洋プレートとフィリピン海プレートの境界で発生したとみられます。

千葉県東方沖ではマグニチュード6クラスの地震が発生しており、今回の震源近くでは、2011年4月21日にマグニチュード6.0、2005年4月11日にはマグニチュード6.1の地震が起きました。

これで5月に入ってから震度5弱以上の地震は6回目で、1ヶ月にこれだけ多くなったのは熊本地震があった2016年4月に、22回発生して以来です。

国内:新島・神津島近海の地震でも震度5弱

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新島・神津島近海の地震
22日(月)16時42分頃、新島・神津島近海を震源とするマグニチュード5.3、深さ11kmと推定される地震が発生しました。この地震で東京都利島村で最大震度5弱、新島村で震度4、静岡県東伊豆町、牧之原市で震度3の揺れを観測しています。

地震のメカニズムは北東―南西方向に張力軸を持つ横ずれ断層型で、地殻内で発生したと見られます。

新島・神津島近海では頻繁に群発地震が起きています。最近では2020年に活発な地震活動があり、12月18日にマグニチュード5.0、最大震度5弱の地震が発生。2週間後の翌年1月1日にマグニチュード4.7、最大震度4の地震が起きています。また、三宅島の噴火活動と連動した2000年には数ヶ月にわたって活動が続きました。

今回は22日(月)〜23日(火)の2日間で体に感じる地震が50回以上発生しています。その後は活動が落ち着いているものの、27日(土)の時点でも地震の多い状況は継続していますので、しばらくは強い揺れに対する注意が必要です。

世界:パナマとコロンビアの国境近くでM6.5

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世界のM4.5以上の地震(USGSホームページ引用/ウェザーニュース加工)
アメリカ地質調査所の解析によるマグニチュード6以上の地震は6回発生しました。最も大きなものはパナマの沖で発生したマグニチュード6.5です。

日本時間の25日(木)昼頃、パナマとコロンビアの国境に近いカリブ海を震源とするマグニチュード6.5、深さ約13kmと推定される地震が発生しました。地震のメカニズムは北北東ー南南西方向に圧力軸を持つ逆断層型と解析されています。

今回の震源付近は南米プレート、カリブプレート、ナスカプレートの3つのプレートが接しており、地震の発生頻度が大きな地域です。今回よりも少し陸域では1974年にマグニチュード7.3の地震が発生しました。

参考資料など

※日本国内の震源・震度の情報は特に記載が無ければ気象庁より。海外の震源情報は特に記載が無ければアメリカ地質調査所(USGS)より。発表機関により震源情報に差が生じることがあります。