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【二十四節気】大寒
【七十二候】款冬華

ノエルさん(北海道)
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2017/01/20 06:13 ウェザーニュース

20日からは二十四節気「大寒(だいかん)」、そして七十二候「款冬華(ふきのはなさく)」。

いよいよ二十四節気は一番最後、一年で最も寒いと言われる大寒をすぎれば、春のおとずれです。
そんな春を少し先取りするかのように、七十二候では蕗の薹(ふきのとう)が顔を出し始めることを伝えています。

「1年で一番寒い?勘弁してほしいな・・・」という方も多いかと思いますが、大寒は私たちにとって重要な季節だったんです。

大寒の水

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大寒の朝に汲んだ水は、1年間腐らないと言われ、昔の人達は長期間保管していたそうです。

今でこそ、きちんと管理された水道水を利用していますが、昔は井戸水を生活に使っていました。

そのため、夏のように、外気温が高い時に汲んだ水というのは、すぐに細菌が繁殖してしまいます。しかし、大寒の日の朝は凍てつくような寒さ。その中では細菌もなかなか繁殖できません。そこから、大寒の水はきれい、質が良いと言われていたようです。

また、大寒の日に汲んだ水を保管し、台所など火を使う場所に置いておくと、その1年火事にならないという言い伝えがあります。

「へえーやってみようかな…」と思ったら、ペットボトルなどに水を汲んで密閉し、火の元に置いてみてください。

寒仕込み

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つるりんさん(山梨県)
先程、「大寒の水はきれい」「この時期は菌が繁殖しにくい」とご紹介しましたが、ここに目をつけた職人さんたちがいます。

寒の仕込みといわれ、酒や醤油、味噌はこの時期に作るのが良いとされています。

醗酵は温度や衛生管理が重要となるため、安定して雑菌が繁殖しにくい、また外気温が上下しにくい大寒の時期に仕込み始めると、美味しい味噌やお酒が出来上がるそうです。

他にも、凍り豆腐や寒天も大寒の寒さを利用して作られていました。

大寒ならでは

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きゃっぷさん(東京都)
皆さんは、大寒卵というものをご存知でしょうか。
実は縁起物とされていて、食べると体が丈夫になる、金運が上がるなど様々な言い伝えがあります。

「卵なんていつでも食べれるのに?」と思いますよね。

今は品種改良や整った環境により、鶏が安定して卵を生むようになったので、私たちは1年を通して購入することができます。しかし、昔は寒い季節になると、鶏が卵を産まなくなってしまうので、大変貴重なものとされていたのです。

ちょっとあやかりたい…!なんて方は、スーパーで卵を買う際に、チラッと産卵日を確認してみるのも一つの手ですね。

雪の下から春の便り

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みぃやさん(長野県)
意外と生活に役立っていた大寒。しかし、水も味噌も卵も厳しい寒さが産んだ賜物。そう考えると、これから来る寒さは今までの比じゃないのかな・・・なんて思ってしまいます。

そんな大寒という暦の中に春のおとずれを感じさせる款冬(ふきの異名)の候を持ってくるというのは、少しミスマッチな気もしますよね。

ですが、1年で最も寒い季節に健気に芽吹き始めるふきの生命力に、どこか希望も感じられます。大寒があるからこそ、春がきた時の喜びはひとしお。

そういう意味でも、大寒はやはり重要な季節といえるのではないでしょうか。
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