寒さや大雪で飛散開始遅め、ヒノキ花粉の飛散ピークが顕著に!
今シーズンの花粉傾向は、2月中旬までの寒さの影響で本格的は飛散開始が昨年より遅れた所が多くなり、中国・四国瀬戸内側では3月上旬~中旬、関東~近畿地方では3月中旬~下旬にピークとなりました。また、スギ花粉の飛散が少なくなるとヒノキ花粉が多くなり、中国地方~四国瀬戸内側では3月末~4月上旬、関東~近畿地方では4月上旬~中旬を中心にピークを迎えた所が多くなりました。関東~中国地方では、スギ花粉の1 日の飛散量は昨シーズンより少ない所が多くなりましたが、ヒノキ花粉の1日の飛散量がスギ花粉より多い日、また昨年のよりも多く飛んだ日があり、スギ・ヒノキ花粉の飛散量は昨シーズンより少ない県が多かったものの、スギ・ヒノキ花粉の全体量に占めるヒノキ花粉の割合は、昨シーズンより多く なり、ヒノキ花粉のピークが顕著に現れました。
また、寒気の影響を受けにくかった九州や四国太平洋側では、花粉の飛散ピークはあまり遅れることなく、2月下旬~3月上旬のスギ花粉のピーク、その後3月下旬にヒノキ花粉のピークを迎えました。
北海道では4月下旬~5月前半にかけて、季節は外れの暖かさが続いたため、昨シーズンよりもかなり早く、シラカバ花粉が飛散しはじめ、5月上旬にピークを迎えました。また、すでに本格シーズンが終了し、次第に終息に向かっています。
西日本ほど多く飛散!
2014年春のスギ・ヒノキ花粉の飛散量は、北・東日本を中心に昨シーズンより少なくなり、特に関東地方~東北南部では昨シーズンの20~30%前後の飛散量となりました。また、西日本でも昨シーズンより少なかった所が多かったものの、九州や四国太平洋側では昨シーズンより多い花粉を観測し、高知県では昨年の170%の花粉を観測しました。
また、平年(2008~2013年の平均)と比較しても、北~東日本を中心に飛散量が少なく、関東地方では平均の40~50%となりました。一方、西日本ではやはり九州や四国太平洋側を中心に平年よりも多くの花粉を観測し、高知県や徳島県では平年の約2倍の花粉を観測しました。
九州や四国太平洋側など西日本で花粉の飛散量が多くなった要因は、昨年夏の記録的な暑さ(高知県で日本国内における高温記録を更新した)が影響していると考えられます。花粉のもととなる雄花は、前年の夏が晴れて暑いほど生育や良くなることが知られており、今年はその条件に一致しました。また、花粉が多く飛散した翌年は飛散量が少なくなったり(裏年)、少ない年の翌年は多くなったり(表年)と、花粉の飛散量は交互に増減する傾向があり、今シーズは裏年にあたります。ただ、西日本ではここ数年、表年と裏年の飛散量の差が比較的小さい傾向にあり、花粉の飛散量は気象条件に左右されやすくなっていると考えられます。
一方、その他の西日本や東日本、北日本では、表年と裏年の花粉飛散量の差が大きく、裏年であった今シーズンは、前年の夏が晴れて暑かったにも関わらず、昨年よりも飛散量が少なくなったと考えられます。