そらびとsorabitoインタビュー(8)

雲の見方が変わる!? 雲研究者の“雲ヨミ”極意

荒木健太郎(あらきけんたろう)さん
いつも空にある雲。秋のうろこ雲、夏の入道雲、朝陽や夕陽を受けて真っ赤に染まった雲など、さまざまな表情で私たちを魅了する。その一方で、雲は豪雨や大雪、竜巻といった災害をもたらすことも。そんな「雲」の研究を続けている荒木健太郎さんに、知られざる雲の科学と謎に迫った!

「雲」に学ぶ

──雲を専門に研究する気象学者とは?
「雲の仕組みを調査、研究している人」です。雲を観測してデータを取ったり、コンピュータでシミュレーションをしたりして研究をしています。
たとえば、気象研究所の屋上に設置されている地上マイクロ波放射計で、大気中の水蒸気量の変化などを調べ、雲の生成を予測したりします。
地上マイクロ波放射計
地上マイクロ波放射計
──雲に興味を持つと何が分かるようになりますか?
私たちにとって雲は、空を見上げるとそこにある、とても身近な存在。その一方で、雲はときとして災害をもたらすことも。雲と適度な距離感を保って上手に付き合う必要があります。
そのためにはまず、雲に興味を持って、もっと雲のことを知ることが重要なのです。例えば「あの雲には、どんな意味があるのだろう?」といったように、日常的に雲の表情を読み、考えてみる。
そうすることで、雲によって変わる大気の状態や天候の変化が分かるようになります。「あんな雲が出ていたから、こんな天気になるんだ」と。雲に興味を持ち、知ることで、雲は“日常的に使える情報”になるのです。
それがきっかけで雲観察の輪が広がり、結果として減災につながれば、と思っています。