総力特集

次の“国内観測史上最高気温”はどこか?

NASA(米航空宇宙局)によると世界の平均気温は、昨年まで3年続けて最高を記録したという。となると今年の夏は日本も“観測史上最高気温”を更新する可能性がある。それはどこか?

山形が74年間日本一だった理由

なぜ東北地方で40.8℃だったのか?

日本の歴代最高気温の変遷を見ると、2007年8月16日に熊谷(埼玉県)と多治見(岐阜県)がともに40.9℃を出して記録を更新するまで、1933年7月25日に山形(山形県)が記録した40.8℃が最高記録だった。
なぜ東北地方の山形が74年間も歴代最高気温を保持し続けたのか。
気象庁の地域気象観測システム「アメダス」

気象庁の地域気象観測システム「アメダス」

猛烈なフェーン現象

下の天気図は、山形が40.8℃を記録した1933年7月25日6時のものだ。日本列島を挟んで、太平洋側に高気圧(換算値1019hPa)があり、日本海側に台風(同995hPa)があることがわかる。
1933年7月25日の天気図

1933年7月25日の天気図

ということは、高気圧から台風に向かって猛烈な風が吹いていた。しかも、山形は蔵王連峰(1841m)のすぐ西側にある。
猛烈なフェーン現象で気温が極端に上がったことがわかる。地上は上空より気圧が高いので、空気が吹き降りてくると圧縮されて温度が上がるという仕組みになっているのだ。山形が74年間も最高記録を保持し続けていた理由と思われる。