総力特集

検証! 電力自由化から1年!
エコな電気の使い方

大手電力会社の主力は火力発電所
大手電力会社の主力は火力発電所
昨年4月にスタートした電力の完全自由化。今年3月31日までに新たな電力会社に契約を変更したのは約343万件で、全世帯の約7%の世帯が切り替えたことになります。「エコな電気」について、あなたはどれだけ知っていますか? 電力自由化のツボをわかりやすく解説します。

電気料金が安くなる方法

目指したい二つの「エコ」

電力自由化は2000年以降、工場や会社を対象に段階的に実施されてきたが、ついに昨年4月に一般家庭も自由化された。
家庭の電力量計

家庭の電力量計

電力自由化で二つの「エコ」を追求したい。一つは現在のレベルより電気料金を引き下げるという「エコノミー」だ。もう一つは「エコロジー」、つまり二酸化炭素(CO2)の排出を抑えることで地球温暖化にブレーキをかけることだ。はたして、二つの「エコ」は両立するのか?

関西で顧客争奪戦

関西で大阪ガスと関西電力(関電)が顧客争奪戦を繰り広げている。昨年4月の電力自由化に続いて、今年4月から家庭向け都市ガス販売が全面自由化されたからだ。
これまで大阪ガスが電気の販売で関電の顧客を奪っていたが、関電が割安のガス販売で反転攻勢をかけたかっこうだ。ガスと電気をセット契約すれば割引されるので、消費者にとってはありがたいことだ。

新電力会社は全国に約400社

話を電力自由化に戻そう。今や電力会社が増えて全国に約400社もある。どこを選べば得なのかを教えてくれるのがネットの「電気料金比較サイト」だ。主なサイトを紹介する。
●エネチェンジ
https://enechange.jp
●エネルギー情報局
http://j-energy.info
●新電力比較サイト
http://power-hikaku.info
●価格コム・電気料金比較
http://kakaku.com/energy/

「ご使用量のお知らせ」を用意

電気料金比較サイトは、いくつかの質問に回答していくと、年間でどれだけ電気料金が安くなるかをシミュレーションしてくれる。
電気使用量のお知らせ

電気使用量のお知らせ

「エネチェンジ」の場合は、「同一世帯の人数」「生活の時間帯」「ガスの利用」「住まいの郵便番号」「今のプラン名」「アンペア数」「今の電気代または使用量」などを入力するので、電気の検針の際にポストに入れられる「電気ご使用量のお知らせ」を手元に用意しておくといい。

シミュレーションしてみた結果

試しに4つの電気料金比較サイトに入力してみた。編集部が用意したデータは、東京電力エリア、契約は従量電灯B、30A、使用量は277kWh、料金は6630円だ。
一番節約できる電力会社は、エネチェンジが「niftyでんき」(年1万1155円節約)、エネルギー情報局は「エルピオ」(月843円=年1万116円節約)、新電力比較サイトは「HTBエナジー」(年3678円節約)、価格コムは「niftyでんき」(年1万3467円節約)という結果だった。お得度ランキングも違っていた。その理由を次に解説する。

候補の電力会社を絞り込む

それぞれの比較サイトで結果が異なるのは、掲載している電力会社が違っていたり、時間帯別料金(夜間料金が安い)、口座振替割(訪問集金より安い)、セット割(親会社のサービスに加入していると割引がある)、ポイント制(ポイントカードに充当できる)などをシミュレーションに組み込んでいるかどうかの違いがあるからだ。
電気がなければ私たちの生活は成り立たない

電気がなければ私たちの生活は成り立たない

したがって、必ず複数の比較サイトでシミュレーションしてほしい。その中から気に入った電力会社を絞り込みたい。

各電力会社のHPで計算する

いくつかの電力会社に絞り込んだら、それぞれの電力会社のホームページ(HP)で料金シミュレーションをしてみるといい。
あくまでもシミュレーションなので、実際とはズレが生じる可能性はあるが、比較サイトのシミュレーションよりは実際に近い値が出るだろう。
発電所から電気が送られてくる

発電所から電気が送られてくる

ちなみに、大手電力会社も新しいプランを用意している。現在の契約より割安なら、プランを変更する手もある。