昨年12月の新潟県糸魚川(いといがわ)市の住宅街、今年2月の埼玉県三芳町(みよしまち)の物流倉庫など、この冬は大規模火災が目立った。私たちは火事に巻き込まれたら、どうすればいいのか。ちなみに、3月1日〜7日は全国で春の火災予防運動が実施される。
知られざる消防のお仕事
消防署の中はどうなっているの?
「火事と喧嘩は江戸の華」と言われるほど、江戸(今の東京)は火事が多かった。ここでいう「火事」は火消しの華々しい働きぶりを指しているとされるが、現代の火消しともいえる消防士は日頃どんな仕事をしているのか、東京消防庁を取材した。
広報課の小川紘明(ひろあき)さんによると、消防署には、「総務」「警防」「予防」の3つの課があり、「毎日勤務」と「1部」「2部」「3部」が24時間勤務を輪番でこなす「交替制勤務」に分かれている。
「交替制勤務の場合、当番日は8時30分の大交替で勤務がスタート。機材の点検・訓練・体力養成のほかに、総務・警防・予防の担当事務をこなし、22時20分に仮眠、翌日6時に起床というスケジュールです」
「もちろん119番の通報で出場指令が出ると、通常は防火服を着て、約1分以内にポンプ車、はしご車、救急車などが出場し、消火・救助・救急活動を行います。そして鎮火後は火災原因調査を行います」(小川さん)
火災被害を予防・軽減する
消防署の毎日勤務で注目したいのが予防課だ。ここは事業所の防火・防災管理指導、火災予防査察、建物の消防検査、危険物施設の許可や審査などを行っている。
「事業所で定期的に避難訓練や消火訓練をしているか、非常階段を物置代わりにして避難を妨げていないか、一定規模の建物が自動火災報知設備やスプリンクラーなどの消防用設備を備えているかといった、火災被害を予防したり軽減するための業務を行っています」(小川さん)
世界最大の消防機関
こうした消防署が都内に81署あり、さらに小規模な消防出張所が208所、消防分署が3署ある。その上に第1から第10まで10の消防方面本部があり、東京消防庁本部が全体を統括するのが東京消防庁の体制だ。
消防職員数は約1万8000人。これは全米最大のニューヨーク市消防局の約1万1000人を上回り、自治体の消防では世界最大の規模だという。
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