新発見! 京都お天気旅 Vol.5

「大文字送り火」の深い意味

撮影:水野秀比古

ウェザーニュースキャスターの堀井雅世さんと夏の風物詩を求めて京都の大文字へ。灯明(とうみょう)となる「五山(ござん)の送り火(大文字の送り火)」には驚くべき真実があった。

誰かに話したくなる「大文字送り火」

「京都の人は送り火を見るとき、自然に手を合わせていることが多いように思います」と話すのは、大文字保存会の理事を務める長谷川綉二(しゅうじ)さん(70歳)。

亡くなった人たちを偲び、感謝と鎮魂の意味をこめて、大文字の送り火が行われる東山の如意ヶ嶽(にょいがたけ、通称大文字山)のほうに向かい、手を合わせるのだという。大文字は、鴨川の河川敷や出町柳駅周辺、出雲路橋(いずもじばし)などから、その姿を観賞することができる。

長谷川綉二さん

長谷川綉二さん

ちなみに、大文字の送り火が行われる如意ヶ嶽は、当日の入山規制はあるものの山自体に登ることは可能。法然院や霊鑑寺などいくつかのルートがあるが、「もっとも楽に登れるのは、銀閣寺からのルートでしょう。1時間もあれば頂上まで行けます」と長谷川さん。

如意ヶ嶽は、東山三十六峰の主峰で標高は472m。長谷川さんによれば、「京都特有の湿気と盆地気候のせいでしょうか、如意ヶ嶽の山頂から、普通はもっと高い山でしか見ることのできない“雲海”を見ることもできます」とのこと。

山頂への銀閣寺からのルートにある八神社前

山頂への銀閣寺からのルートにある八神社前

五山の送り火にまつわる「5つの秘密」

大文字の送り火にまつわる知られざる秘密を知ると、観賞するときの味わい深さが格段に変わる。そこで、子どもの頃から如意ヶ嶽に登り、大文字の送り火の手伝いをしていたという長谷川さんに、とっておきの5つの秘密を伺った。