温暖化が温州みかんに与える影響
温暖化の影響は、日本各地の農業や漁業など食料生産にさまざまな影響を及ぼし始めていますが、温州みかんもその1つです。
温州みかんは、日本で育てられている代表的な柑橘類で、約400〜500年前に伝来した種子から発生した品種とされています。主に関東より南の太平洋側で栽培されており、農林水産省による昨年の収穫量は約55万9600t、出荷量は約51万900tです。
日本の年平均気温は、1898~2024年の間に100年あたり1.40℃のペースで上昇しており、それに伴って雨の降り方などにも変化があります。
また、今年記録的な高温が注目されたように、近年は高温が珍しくなくなってきています。それらの影響によるみかんの「浮皮果(うきかわか)」「日焼け果」の増加が問題となっています。
浮皮果とは、果肉の生長がほぼ終わった時期に高温・多湿になると果皮のみ生長が続いて、果皮が果肉から浮いたような状態になったみかんです。
日焼け果は、強過ぎる日射しを浴びることで、果皮の一部が乾燥して、変色・硬化してしまうものです。
温州みかんは、日本で育てられている代表的な柑橘類で、約400〜500年前に伝来した種子から発生した品種とされています。主に関東より南の太平洋側で栽培されており、農林水産省による昨年の収穫量は約55万9600t、出荷量は約51万900tです。
日本の年平均気温は、1898~2024年の間に100年あたり1.40℃のペースで上昇しており、それに伴って雨の降り方などにも変化があります。
また、今年記録的な高温が注目されたように、近年は高温が珍しくなくなってきています。それらの影響によるみかんの「浮皮果(うきかわか)」「日焼け果」の増加が問題となっています。
浮皮果とは、果肉の生長がほぼ終わった時期に高温・多湿になると果皮のみ生長が続いて、果皮が果肉から浮いたような状態になったみかんです。
日焼け果は、強過ぎる日射しを浴びることで、果皮の一部が乾燥して、変色・硬化してしまうものです。
また、一般に温州みかんの栽培に適する年平均気温が15〜18℃とされていますが、年平均気温の変化により現在の主産地が将来的に栽培適地からはずれてしまう可能性が指摘されています。
具体的には、より内陸部にかけて栽培適地が拡大し、日本海側や南東北の沿岸部まで広がることが予測されています。一方で、九州や四国南部など、栽培に適さない高温の地域の広がりも予測されています。
具体的には、より内陸部にかけて栽培適地が拡大し、日本海側や南東北の沿岸部まで広がることが予測されています。一方で、九州や四国南部など、栽培に適さない高温の地域の広がりも予測されています。
みかんの産地でも異変が?
柑橘類の生産が非常に盛んで、温州みかん生産量全国1位の和歌山県でも猛暑の影響で温州みかんに異変が起きており、様々な対策を講じています。
和歌山県果樹試験場栽培部長の中谷章さんは、「今年の和歌山県での温州みかんは、品質は良好です」と話し、次のように続けます。
「今年は梅雨明けが早かったため例年より早くから雨が少ない状況となり、その期間が長く続いたため果実の糖度は高い傾向で、その後適度な雨が降ったためです。ただ、収穫の早い品種を中心に、気温が高く晴天が続いた7月から8月にかけて日焼け果が多く発生しました」(中谷さん)
和歌山県果樹試験場栽培部長の中谷章さんは、「今年の和歌山県での温州みかんは、品質は良好です」と話し、次のように続けます。
「今年は梅雨明けが早かったため例年より早くから雨が少ない状況となり、その期間が長く続いたため果実の糖度は高い傾向で、その後適度な雨が降ったためです。ただ、収穫の早い品種を中心に、気温が高く晴天が続いた7月から8月にかけて日焼け果が多く発生しました」(中谷さん)
和歌山市では、年平均気温が100年あたり約1.5℃上昇、真夏日や強雨も増加傾向にあり、近年は影響がみかんに現れてきているといいます。
「現在、発芽や開花、成熟の時期のずれ、葉の日焼け、実の大きさや着色などさまざまな影響があります。試験場における調査でも、春の気温が高くなり、発芽期や開花期が早まる傾向にあります。また夏の気温が高く晴天が続くと、今年や昨年のように日焼け果が多発します。
さらに、秋に高温が続くと果実の着色が遅れ、収穫時期が遅くなります。特に秋に高温と降雨が重なると上の写真にある『浮皮果』が多発するリスクが高くなります。
果実の生育以外では、雨の降り方によりこれまで少なかった病気が増えたり、気温の上昇に伴ってこれまでほとんど見られなかった害虫が多発するなどの影響が出ています。
なお、浮皮果は一般的に味が淡泊になるとされています。それに加えて浮皮果は輸送中に腐りやすく、温州みかんを流通させるうえで大きな問題となります。
大きな問題である浮皮果対策としては、排水をよくしたり、間伐などで通風性を高める湿度管理のほか、肥料のやり方の調節や、植物生長調節剤を使用するなどしています。浮皮の発生が少ない品種の開発・普及も進めています。
また、雨が多いと発生しやすい黒点病には、耐雨性を高める薬剤などで防除対策を行っています」(中谷さん)
「現在、発芽や開花、成熟の時期のずれ、葉の日焼け、実の大きさや着色などさまざまな影響があります。試験場における調査でも、春の気温が高くなり、発芽期や開花期が早まる傾向にあります。また夏の気温が高く晴天が続くと、今年や昨年のように日焼け果が多発します。
さらに、秋に高温が続くと果実の着色が遅れ、収穫時期が遅くなります。特に秋に高温と降雨が重なると上の写真にある『浮皮果』が多発するリスクが高くなります。
果実の生育以外では、雨の降り方によりこれまで少なかった病気が増えたり、気温の上昇に伴ってこれまでほとんど見られなかった害虫が多発するなどの影響が出ています。
なお、浮皮果は一般的に味が淡泊になるとされています。それに加えて浮皮果は輸送中に腐りやすく、温州みかんを流通させるうえで大きな問題となります。
大きな問題である浮皮果対策としては、排水をよくしたり、間伐などで通風性を高める湿度管理のほか、肥料のやり方の調節や、植物生長調節剤を使用するなどしています。浮皮の発生が少ない品種の開発・普及も進めています。
また、雨が多いと発生しやすい黒点病には、耐雨性を高める薬剤などで防除対策を行っています」(中谷さん)
“かんきつ王国”として知られる愛媛県も、温州みかんの栽培が盛んです。
愛媛県の温州みかんは、裏年にあたる昨年は日焼けやカメムシなどの害虫の被害等が重なり、生産量が激減しましたが、今年は表年傾向で、 夏秋期に定期的に適度な降雨があったため、日焼けの被害は昨年より少なく、生育は順調です。
秋季の高温でやや着色が遅れましたが、 生産量は例年並みに回復する見込みで、おいしく仕上がっています」(愛媛県農産園芸課)
愛媛県の温州みかんは、裏年にあたる昨年は日焼けやカメムシなどの害虫の被害等が重なり、生産量が激減しましたが、今年は表年傾向で、 夏秋期に定期的に適度な降雨があったため、日焼けの被害は昨年より少なく、生育は順調です。
秋季の高温でやや着色が遅れましたが、 生産量は例年並みに回復する見込みで、おいしく仕上がっています」(愛媛県農産園芸課)
生産者も近年の温暖化の影響を深刻に捉えています。
「アンケート結果にもありますが、浮皮果や日焼け果、 着色の遅れなどが顕在化しており、これまで問題となっていなかった病害虫の分布域の拡大や越冬数の増加も懸念されます。
対策としては、 現場の状況に応じて、 植物生長調節剤による生長の調整や収穫期の早期化、樹の下へのシート敷設による吸水量調節や着色促進、病害虫発生状況のこまめな把握などを実施しています。
長期的な対策としては、温暖化の影響を受けにくくするための土づくりや改植による園地の若返り、品種開発などを行っています」(愛媛県農産園芸課)
「アンケート結果にもありますが、浮皮果や日焼け果、 着色の遅れなどが顕在化しており、これまで問題となっていなかった病害虫の分布域の拡大や越冬数の増加も懸念されます。
対策としては、 現場の状況に応じて、 植物生長調節剤による生長の調整や収穫期の早期化、樹の下へのシート敷設による吸水量調節や着色促進、病害虫発生状況のこまめな把握などを実施しています。
長期的な対策としては、温暖化の影響を受けにくくするための土づくりや改植による園地の若返り、品種開発などを行っています」(愛媛県農産園芸課)
将来、温州みかん産地が変わる!?
全国的に長い間みかん栽培の適地であった地域が、温暖化の影響で移動する可能性があるとされています。和歌山県・愛媛県でも現在の主な栽培地域が将来の栽培適地とはずれる心配があります。
「和歌山県では、温州みかんの栽培適地からはずれたからといって栽培ができなくなるわけではありませんが、条件の変化に対応した栽培が必要となってきます。日焼け果に対しては『炭酸カルシウム』という薬剤を散布して被害を少なくする技術が実用化されています。
また、浮皮果については前述のとおり植物生長調節剤を使った対策が取られています。病害虫についても発生状況に対応した新しい防除方法を開発するなどの適応策を行っています」(中谷さん)
「和歌山県では、温州みかんの栽培適地からはずれたからといって栽培ができなくなるわけではありませんが、条件の変化に対応した栽培が必要となってきます。日焼け果に対しては『炭酸カルシウム』という薬剤を散布して被害を少なくする技術が実用化されています。
また、浮皮果については前述のとおり植物生長調節剤を使った対策が取られています。病害虫についても発生状況に対応した新しい防除方法を開発するなどの適応策を行っています」(中谷さん)
「愛媛県での温州みかん栽培に、 今後も温暖化が影響を与えることは間違いないため、 変化にしっかり適応できるように、現在、浮き皮しにくい品種や適応技術の開発を進めているところです。
一方で、県内では、 アボカドやイタリア原産の柑橘であるブラッドオレンジなど、高温でも育ちやすい品種の産地化事例もあります。果樹は植栽から収穫までに年月がかかることも踏まえて、生産者の所得向上を最優先に、柔軟に対応していきたいと考えています」(愛媛県農産園芸課)
温暖化により気象の影響を受けやすい農業でさまざまな変化が現れるというのは当然のことではありますが、古くから日本の風土で育まれてきた温州みかんにまでというのは1つの驚きです。改めて気候変動を身近な問題として考えていきたいものです。
一方で、県内では、 アボカドやイタリア原産の柑橘であるブラッドオレンジなど、高温でも育ちやすい品種の産地化事例もあります。果樹は植栽から収穫までに年月がかかることも踏まえて、生産者の所得向上を最優先に、柔軟に対応していきたいと考えています」(愛媛県農産園芸課)
温暖化により気象の影響を受けやすい農業でさまざまな変化が現れるというのは当然のことではありますが、古くから日本の風土で育まれてきた温州みかんにまでというのは1つの驚きです。改めて気候変動を身近な問題として考えていきたいものです。
温暖化の影響は私たちの生活にも大きな変化をもたらす可能性があります。ウェザーニュースでは、気象情報会社の立場から地球温暖化対策に取り組むとともに、さまざまな情報をわかりやすく解説し、みなさんと一緒に地球の未来を考えていきます。まずは気候変動について知るところから、一緒に取り組んでいきましょう。
特集 ウェザーニュースと考える地球の未来
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