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今年最初の初冠雪はどの山に? 最近2年は富士山が大雪山旭岳を逆転

2023/10/01 14:09 ウェザーニュース

今年は残暑がかなり長引きましたが、ようやく高い山では雪の降る時期が近づいてきました。

統計をみると、全国で最初に初冠雪が観測されるのは北海道・大雪山の旭岳になることが多くなっていますが、今年はどの山が最初になるでしょうか。

大雪山か富士山が最初となることが多い

冠雪とは山頂付近にかぶさるように降り積もった雪のことをいい、初冠雪とは夏以降(*)で初めて冠雪が確認できたことをいいます。*通常は8月1日以降ですが、富士山に限り真夏に降雪が観測されることがあるため、その夏の日平均気温の最高値が出現した日以降という基準になっています。

統計上、初冠雪は9月下旬ころに北海道大雪山の旭岳が最初となることが多くなっています。ここ10年間のうち8回は9月のうちに初冠雪が観測されています。

一昨年と去年は9月の北日本への寒気の流れ込みが弱く、2年連続で富士山の初冠雪が全国で最初となっています。富士山は標高が高いため気温が低く、初秋でも0℃前後まで下がることがたびたびありますが、太平洋側に位置するため寒気が流れ込む日には晴れることが多く、冠雪となるのは10月になってからのことが多くなっています。

また、北海道の稚内の西海上に浮かぶ利尻島の利尻山は標高が1721mと高く、高緯度に位置するため早い時期に雪の降ることがあります。2017年と2019年は大雪山旭岳よりも先に初冠雪を観測し、全国トップとなりました。

それ以外の山岳は10月中旬以降のことが多く、全国初になることはほとんどないようです。

なお、初冠雪の観測は気象台の場所から行われているため、雲で視界が悪かったり、山の反対側に冠雪がある場合には、実際には山頂付近が積雪となっていても初冠雪の観測が発表されないこともあります。ウェザーニュースアプリの写真投稿企画「ウェザーリポート」では、例年気象台よりも早くに雪化粧をした山の様子が投稿されます。
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今年は旭岳が一番か 早ければ明後日にも可能性あり

厳しい残暑の続いた今年は初冠雪の便りも遅れています。昨日9月30日(土)までに初冠雪を観測した山はありません。

今週はいよいよ冷たい空気が大陸から南下してきます。明日2日(月)の夜には北海道の上空約1500mに3℃~6℃の冷たい空気が流れ込みます。標高2291mの旭岳では0℃前後となる可能性が高く、天気の回復する明後日3日(火)に初冠雪の観測される可能性があります。

また、富士山では4日(水)にまとまった降水となる見込みです。上空の気温はやや高めですが、富士山頂では0℃前後まで下がり雪化粧する可能性があります。

さらに、週の後半には上空約1500mで0℃~3℃の寒気が北海道を覆う予想です。このため、6日(金)頃には北海道の標高2000m級の山岳では雪が降る見込みです。寒気の入るタイミングで冬型の気圧配置となるため、旭岳だけでなく利尻山(標高1721m)などでも雪の降る可能性が高くなっています。羊蹄山(1898m)や十勝岳(2077m)でも雪の積もることが考えられますが、現在は気象台による初冠雪の観測が行われていません。

また、寒気が予想より強まった場合は、立山(3015m)などの中部山岳でも雪が積もるかもしれません。

この先一週間は周期的に冷たい空気が流れ込みます。初冠雪の一番乗りがどの山になるかは断言できませんが、日本列島でも間もなく雪の積もった山の姿を見ることができそうです。
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