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食欲の秋に知っておきたい 食後にすぐ横になるのは良い?悪い?

2023/09/22 09:34 ウェザーニュース

食欲の秋、秋刀魚に秋鯖、まつたけ、さつまいも、なす、梨、ぶどう、栗とおいしいものが次々と旬を迎えます。

お腹いっぱい食べた後は一息つきたくなりますが、気になるのが「食後に横になると良くない」という話。真偽について、大腸専門医である、草間かほるクリニック(東京都港区)院長の草間香先生に教えていただきます。

食べ物はどのように消化されるのか?

そもそも、食後の過ごし方で体に影響があるものなのでしょうか。

「消化吸収に影響します。というのも、食べたものは消化して栄養分を摂取しなくてはなりませんが、実は消化吸収とはなかなか大変な活動なのです。

口から入った食べ物は、まず食道から胃に送られます。胃壁は収縮を繰り返すことで、食べ物の塊をすり潰して胃液と混ぜ、消化します。

胃で2〜3時間かけてドロドロになった食べ物は小腸に送られ、さらに消化され栄養分が吸収されます。栄養分は血液によって肝臓に運ばれ、利用しやすい形に変えられたり貯蔵されたりします。食べ物の残りは大腸に送られ、水分が吸収されて大便となり排泄されます。

一連の働きのために、食後の胃や腸、肝臓などは大量の血液を必要とします。食後はスムーズな消化吸収のためにも、ゆったり過ごすことがおすすめなのです」(草間先生)

完全に横になるのはNG

食後すぐに横になるのは、良いということでしょうか。

「まず、寝そべるなど完全に横になってしまうと、胃液が食道に逆流しやすくなります。胃液は強い酸性で、食道に入ると粘膜の炎症を起こして『逆流性食道炎』につながりかねないので、体を完全に横にするのは避けましょう。

また、横になった時に眠ってしまうのも問題です。睡眠中は、自律神経のうちリラックスモードに働く副交感神経が優位になり、内臓の働きが低下します。胃や腸も十分に働かなくなるため、消化不良を起こしやすくなってしまうのです。ですから眠ってしまうのはいけません。

一方で、横になっているときの胃腸への血液量は、立っているときと比べ2〜4倍になるとされています。また、肝臓に流れる血液量も横になった方が多くなります。つまり食後、横になることは消化吸収の助けとなると言えるのです。

とはいえ、先述した逆流性食道炎のリスクもあるので、横になる場合は、上半身を適度に起こした状態で休むようにしましょう」(草間先生)

※糖尿病など血糖のコントロールが必要な人は、医師の指示に従ってください

食後の理想的な過ごし方とは

結論として、食後はどう過ごせばよいのでしょうか。

「食後30分〜1時間は、活発な活動はせずゆったり過ごすのが理想です。脳や筋肉に血液が集中することなく、胃腸や肝臓に消化吸収に十分な血液が使われます。

横になるときは、上半身は起こした状態になるようクッションやリクライニングシートなどで調整し、完全に眠ってしまうことがないようにしましょう。

また、食事によっては血糖値が急激に上昇し、眠気を引き起こすことがあります。睡眠が十分に取れていない場合などにも、食事後に眠気が出たりしますので、日頃の食事や睡眠などの生活習慣を見直してみるとよいかもしれません」(草間先生)

私たちの体は主に食べたものからできています。胃腸がしっかり消化吸収できるよう、食後の過ごし方を見直してみませんか。

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