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週刊地震情報 2023.7.23 国内で約1か月ぶりの震度4 茨城県沖でM4.8

2023/07/23 10:24 ウェザーニュース

この1週間で国内で観測された有感地震の回数は、前週よりも若干多い水準です。

東日本で地震が多く、西日本でも地震が散発的に起きています。震度3以上の地震は4回で、国内では約1か月ぶりとなる震度4の地震も発生しました。(7月17日~23日10時の集計)

国内:茨城県沖の地震で震度4

茨城県沖の地震
22日(土)10時52分頃、茨城県沖を震源とするマグニチュード4.8、深さ約50kmと推定される地震が発生しました。この地震で茨城県水戸市、日立市、常陸太田市、ひたちなか市、那珂市などで最大震度4、茨城県高萩市、笠間市、土浦市、石岡市、つくば市、栃木県真岡市などで震度3を観測しています。

茨城県沖の地震で震度4以上を観測するのは昨年5月29日以来、約1年2か月ぶりです。地震のメカニズムは西北西ー東南東方向に圧力軸を持つ、逆断層型と解析されています。

茨城県沖は太平洋プレートが沈み込むことで地震が多く発生する領域で、特に深さ50km前後の地震が大半を占めます。2020年には今回の震源に比較的近い領域でマグニチュード5.7の地震が発生し、最大震度5弱の揺れを観測しました。

また、東日本大震災直後の2011年3月にはマグニチュード7.6、2008年にはマグニチュード7.0とマグニチュード7クラスの地震が起きることがあり、警戒が必要な震源域です。

国内:日向灘の地震でも震度4

日向灘の地震
22日(土)21時14分頃、日向灘を震源とするマグニチュード4.9、深さ約40kmと推定される地震が発生しました。この地震で高知県宿毛市、大分県佐伯市で最大震度4、愛媛県愛南町、熊本県高森町、大分県臼杵市などで震度3を観測しています。

日向灘を震源とする震度4以上の地震は昨年12月以来です。地震のメカニズムは東西方向に張力軸を持つ正断層型と解析されています。

日向灘はフィリピン海プレートが沈み込むことで、プレート境界型の大きな地震が発生している領域です。ただ、今回の地震はプレート境界よりも震源が少し深いことや、張力軸を持つメカニズムと解析されていることから、プレート内部で起きた可能性が高いとみられます。

昨年1月22日に発生したマグニチュード6.6の地震に似たタイプです。

国内:北海道十勝地方で深発地震

十勝地方中部の地震
17日(月)9時37分頃、北海道・十勝地方中部を震源とするマグニチュード4.5、深さ111kmと推定される地震が発生しました。この地震で北海道釧路市と浦幌町で震度3、道東を中心に震度2の揺れを観測しています。

十勝地方中部を震源とする震度3以上の地震は今年2月20日以来です。地震のメカニズムは南北方向に張力軸を持つ型と解析されています。

十勝地方では深さ100~120km付近の深発地震がしばしば発生しています。沈み込む太平洋プレートの内部で起きる地震です。2013年には今回の震源の少し南西(震央名は十勝地方南部)でマグニチュード6.5の地震が発生し、最大震度5強の揺れに見舞われました。

北海道十勝地方は十勝沖の地震が最も警戒が必要なタイプですが、こうした深発地震で影響の出る可能性もありますので、油断ができません。

世界:中米でM6.5の地震

世界のM4.5以上の地震(USGSホームページ引用/ウェザーニュース加工)
アメリカ地質調査所の解析によるマグニチュード6以上の地震は2回発生しています。最も大きな地震は南米・アルゼンチンで起きたマグニチュード6.6です。

日本時間の19日(水)朝、中米・エルサルバドルの沖を震源とするマグニチュード6.5、深さ約70kmと推定される地震が発生しました。地震のメカニズムは東北東ー西南西方向に張力軸を持つ正断層型と解析されています。

震源が陸地から近かったため、沿岸の地域では揺れに見舞われたとみられるものの、被害が起きるほどにはなっていません。

今回の地震の震源はココスプレートとカリブプレートの境界付近です。中米の太平洋沿岸はマグニチュード7を超えるような大きな地震が頻発しており、エルサルバドルの沖では2001年にマグニチュード7.7が発生。大きな被害を引き起こしています。この地震では強い揺れによって大規模な地滑りが発生するなど、1000人近い方が亡くなりました。

参考資料など

※日本国内の震源・震度の情報は特に記載が無ければ気象庁より。海外の震源情報は特に記載が無ければアメリカ地質調査所(USGS)より。発表機関により震源情報に差が生じることがあります。