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週刊地震情報 2023.6.18 千葉県で連続の地震 2回目は最大震度4を観測

2023/06/18 10:25 ウェザーニュース

この1週間で国内で観測された有感地震の回数は、前週に比べるとやや少ない水準です。

関東から北海道にかけての太平洋側で地震が多く、西日本では目立った地震があまりありませんでした。震度3以上の地震は3回発生しています。(6月12日~18日10時の集計)

国内:千葉県で10分間隔で二度の地震

千葉県の地震
16日(金)21時14分頃、千葉県北西部を震源とするマグニチュード4.0、深さ66kmと推定される地震が発生しました。この地震で千葉県野田市や東京都渋谷区などで最大震度2を観測しています。

その10分後の16日(金)21時24分頃、今度は千葉県北東部を震源とするマグニチュード4.9、深さ49kmと推定される地震が発生し、千葉県横芝光町で最大震度4、千葉県東金市や香取市、成田市、茨城県稲敷市、神栖市などで震度3の揺れを観測しました。

地震のメカニズムはいずれも東西方向に圧力軸を持つ逆断層型と解析されています。沈み込む太平洋プレートの上面に近い所で起きており、場所は少し違いますが、似たタイプの地震です。

2つの震源は過去にも多数の地震が起きている領域で、10分間隔で相次ぎ発生したのは偶然と考えられます。

国内:オホーツク海南部の深発地震で異常震域

オホーツク海南部の地震
17日(土)20時37分頃、オホーツク海南部を震源とするマグニチュード5.8、深さ約450kmと推定される地震が発生しました。この地震で北海道函館市や標茶町、青森県八戸市、むつ市などで最大震度2を観測しています。

この地震の震度分布を見ると、震央に近い北海道のオホーツク海側で震度1以上を観測していない一方で、少し離れた東北太平洋側で震度1〜2の揺れを観測しました。

深発地震の時に現れる「異常震域」と呼ばれる震度分布です。多くの地震では震央から同心円状に揺れの強い地域が分布します。それが深発地震では沈み込んだプレートに沿って強い揺れが伝わり、プレート境界に近い遠方で揺れが大きくなる現象がみられることがあり、これを「異常震域」と呼んでいます。

異常という名称ではあるものの、深発地震が起きた時には普通に現れ、現象そのものが異常という訳ではありません。

オホーツク海南部は異常震域を引き起こす深発地震がしばしば発生し、2012年のマグニチュード7.3の地震では、関東でも震度2の揺れを観測しました。

世界:南太平洋でM7.2の深発地震

世界のM4.5以上の地震(USGSホームページ引用/ウェザーニュース加工)
アメリカ地質調査所の解析によるマグニチュード6以上の地震は5回発生しました。最も大きなものは南太平洋・トンガ近海で発生したマグニチュード7.2です。

日本時間の16日(金)未明にトンガ近海でマグニチュード7.2、深さ約167kmと推定される地震が発生しました。マグニチュード7以上の地震が発生するのは、5月20日のニューカレドニア近くで起きたマグニチュード7.1以来です。

地震の規模は大きかったものの、深さが100km以上の深発地震だったため津波の発生はなく、震央が島々から少し離れていたため、揺れによる被害もありませんでした。

また、同じトンガ近海では17日(土)にかけてマグニチュード6クラスの地震が数回発生しましたが、こちらは深さが20〜30km程度と浅く、別のタイプの地震です。

世界:フランス西部で珍しい被害地震

日本時間の17日(土)未明に、フランス西部を震源とするマグニチュード4.8、深さ約5kmと推定される地震が発生しました。地震の規模は小さかったものの、浅い地震だったため、震央周辺では強い揺れに見舞われ、建物などに被害が出たとみられます。

フランスは地震が少なく、今回のようなマグニチュード4台後半の地震ですらあまり発生しません。マグニチュード4.5以上の地震は去年3月以来、1年3か月ぶりです。

今回の震源付近はフランスの中では比較的地震が起きやすく、2005年にはマグニチュード5.2の地震がありました。

参考資料など

※日本国内の震源・震度の情報は特に記載が無ければ気象庁より。海外の震源情報は特に記載が無ければアメリカ地質調査所(USGS)より。発表機関により震源情報に差が生じることがあります。