全国91.6%の学校で安全対策を実施済み
大阪北部地震では、高槻市で登校中の小学校4年生の9歳女児が、大阪市東淀川区ではボランティアで児童の登校を見守っていた80歳男性(年齢はいずれも地震発生当時)が、それぞれ倒れたブロック塀の下敷きとなって死亡しています。
小学生が下敷きとなった現場が、通学する小学校のプールわきに設置されたものだったことから、文部科学省は地震発生の翌日以降、全国すべての国公私立の小中高校と特別支援学校、幼稚園とこども園などに対して、施設のブロック塀に対する安全点検を行いました。
その結果、2020年9月1日現在で全学校数5万1082校のうち、75.3%にあたる3万8477校が「ブロック塀がない・撤去済み」、16.3%にあたる8320校が「改修によるものを含む安全確認済み」で、合わせて91.6%が「ブロック塀などの安全対策を実施済み」とされました。
2018年4月1日現在では、「安全対策を実施済み」が全学校の60%とされていましたので、学校のブロック塀については、安全性の確認がかなりのレベルまで進められてきたといえそうです。
小学生が下敷きとなった現場が、通学する小学校のプールわきに設置されたものだったことから、文部科学省は地震発生の翌日以降、全国すべての国公私立の小中高校と特別支援学校、幼稚園とこども園などに対して、施設のブロック塀に対する安全点検を行いました。
その結果、2020年9月1日現在で全学校数5万1082校のうち、75.3%にあたる3万8477校が「ブロック塀がない・撤去済み」、16.3%にあたる8320校が「改修によるものを含む安全確認済み」で、合わせて91.6%が「ブロック塀などの安全対策を実施済み」とされました。
2018年4月1日現在では、「安全対策を実施済み」が全学校の60%とされていましたので、学校のブロック塀については、安全性の確認がかなりのレベルまで進められてきたといえそうです。
民間のブロック塀も安全点検を
その一方で、80歳男性が下敷きになったのは学校関連施設ではなく、通学路の途中にあった一般民家のブロック塀でした。
専門家によると、古い民間所有のブロック塀には鉄筋が入っていないものもあり、一目で傾いていたり波打っていたりする、明らかに危険と思われるケースも少なくないそうです。
ブロック塀などによる倒壊事故を起こさないためにも、ブロック塀の所有者は維持管理の責任を認識し、倒壊の危険がないかなど、安全点検を心掛けることが大切です。
国土交通省は地震発生直後に自治体を通じて、住民や所有者らに「ブロック塀点検のチェックポイント」に基づいて安全点検を促し、違反する場合は通行人への注意表示や補修、撤去を求めました。さらに2019年1月には、耐震基準が強化された1981年以前に建てられたブロック塀の診断が義務化されています。
所有者が行うべき「ブロック塀点検のチェックポイント」は次の6点です。
専門家によると、古い民間所有のブロック塀には鉄筋が入っていないものもあり、一目で傾いていたり波打っていたりする、明らかに危険と思われるケースも少なくないそうです。
ブロック塀などによる倒壊事故を起こさないためにも、ブロック塀の所有者は維持管理の責任を認識し、倒壊の危険がないかなど、安全点検を心掛けることが大切です。
国土交通省は地震発生直後に自治体を通じて、住民や所有者らに「ブロック塀点検のチェックポイント」に基づいて安全点検を促し、違反する場合は通行人への注意表示や補修、撤去を求めました。さらに2019年1月には、耐震基準が強化された1981年以前に建てられたブロック塀の診断が義務化されています。
所有者が行うべき「ブロック塀点検のチェックポイント」は次の6点です。
ブロック塀点検のチェックポイント
(1)塀の高さは地盤から2.2m以下か
ブロック塀の高さは最高で地盤(地面)から2.2mと定められています。ブロック塀1段の高さの目安は20㎝とされていますので、11段以上なら明らかに危険です。
塀の両側で地面の高さが異なる場合は、地面の低い側から2.2mが基準となります。
(2)塀の厚さは十分か
塀の厚さは高さ2m以下の場合は10cm以上、それ以上の場合は15cm以上と定められています。高さに応じた厚さがないと、地震の揺れに対する耐久性が不十分になります。
(3)控え壁はあるか(塀の高さが1.2m超の場合)
控え壁とは補強のため、ブロック塀に対して直交に突き出させた壁のことです。ブロック塀の高さが1.2mを超える場合、長さ3.4m(目安はブロック8個分)以下ごとに高さの5分の1以上の突出した控え壁を設置するよう定められています。
高さが2mのブロック塀なら、40cm以上の控え壁が必要となります。
(4)コンクリートの基礎はあるか
地面より上にあるブロックの最下段の下に、コンクリートの基礎があるかを確認してください。
基礎がきちんと造られていないと、地震の際にブロック塀が根元から倒れてしまう危険性があります。
(5)塀に傾きやひび割れはないか
ブロック塀に目に見えて判断できる傾きやひび割れがあったら、危険ですので絶対に近づかないでください。目視で気づかなくとも劣化が進んでいる場合があります。
劣化のサインは、ブロックの表面に茶色いにじみのような鉄筋のさび汁や、コンクリートの成分が溶け出して表面で白く固まった物質が付着しているなどです。
(6)塀に鉄筋は入っているか
ブロック塀の内部に鉄筋が入っているかどうかは、外観の目視ではわかりませんので専門家に確認してもらってください。
鉄筋については、次のように定められています。
・塀の中に径9mm以上の鉄筋を縦横に80cm以下の間隔で配置
・壁頂(最上部)と基礎には横方向に、壁の端部と隅角部には縦方向に、それぞれ径9mm以上の鉄筋を配置
・縦筋(縦方向の鉄筋)は壁頂と基礎の横筋に、横筋(横方向の鉄筋)は縦筋にそれぞれかぎ掛けして定着
危険なブロック塀は改善を
自分で安全点検し、ひとつでも不適合がある場合は、危険なので専門家に相談して改善しましょう。また、何かわからないことがある場合も、速やかに専門家に相談しましょう。
地方公共団体によっては、補助金などによって危険なブロック塀などを撤去するための支援制度が設けられている場合もあります。お住まいの地方公共団体へ支援制度を確認しましょう。
ブロック塀の倒壊により、2人の尊い命が奪われた大阪北部地震から5年。再び被害者を出さないために、周りのブロック塀の安全性を確認し、危険を感じたらすぐに専門家に相談して、安全対策を施すように努めましょう。
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地方公共団体によっては、補助金などによって危険なブロック塀などを撤去するための支援制度が設けられている場合もあります。お住まいの地方公共団体へ支援制度を確認しましょう。
ブロック塀の倒壊により、2人の尊い命が奪われた大阪北部地震から5年。再び被害者を出さないために、周りのブロック塀の安全性を確認し、危険を感じたらすぐに専門家に相談して、安全対策を施すように努めましょう。
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参考資料など
文部科学省「令和2年度 学校施設におけるブロック塀等の安全対策等状況調査の結果について」、国土交通省「ブロック塀の点検のチェックポイント」、一般財団法人 日本建築防災協会「あなたの周りは大丈夫? 今すぐブロック塀等の点検を!〜安全なブロック塀等を目指して〜」