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世界には約2200種類のホタル! 日本のホタルの種類はどれくらい?

2023/05/20 11:32 ウェザーニュース

梅雨が近づくと、各地でホタルが舞い飛ぶ姿を見られます。すでに九州ではホタルの本格シーズンを迎え、四国から関東にかけてもホタルの淡い光を楽しめるようになってきました。

ホタルが観賞できるのは、おもに初夏。しかも数種類に限られます。いったい日本には、どれくらいの種類のホタルがいるのでしょうか。

おもなホタルの特徴とホタルの種類について、山口県下関市立「豊田ホタルの里ミュージアム」学芸員の川野敬介さんに教えていただきました。
ほたるの出現状況 5月18日(木)時点

日本には約50種類のホタルが生息

世界や日本には、何種類のホタルがいるのでしょうか。

「世界中で約2200種類といったところでしょう。このうち日本には、約50種類が生息しています」(川野さん)

日本にいるホタルは、ゲンジボタル、ヘイケボタル、ヒメボタルくらいしか聞いたことがありませんが、ほかにもたくさんいるのですね。

「これらのホタルは成虫になってもよく光るので有名です。ほかのホタルは卵や幼虫、サナギのときは光っても、成虫になると光らなくなるので、観賞の対象にならず、あまり知られていません」(川野さん)

代表的なホタルの特徴を教えてもらいました。
日本に生息しているホタル

(1)ゲンジボタル

「日本固有の種で、幼虫が流れのある川に棲む世界でも珍しいホタルです。

成虫の体長は15mm前後と大きく、発光間隔は西日本で2秒間隔、東日本で4秒間隔で光ります。飛びながらオス同士が点滅をシンクロさせる(合わせる)のが特徴です。発光は強く、緑色に光ります」(川野さん)

(2)ヘイケボタル

「水田など水の流れが少ないところに棲んでいます。成虫の体長は8mm前後とゲンジボタルより小さく、1回の発光の中で光量のゆらぎ(明減)があるのが特徴です。

メスがオスを誘引するときのメスの光はゆらめかず、強い点滅をします。発光はゲンジボタルよりは弱く、色は緑色です」(川野さん)

(3)ヒメボタル

「幼虫は林や草地の落ち葉の下に棲む陸生で、成虫も同じところにいます。体はヘイケボタルよりも小さく、フラッシュのような点滅をします。発光は強く、色は黄色です」(川野さん)

(4)オバボタル

「庭や林などどこにでもいる陸生のホタルで、体長は10mm前後です。匂いを使ってオスとメスが出会うので、成虫は発光せず、昼間活動します」(川野さん)

(5)ムネクリイロボタル

「山から街中の緑地まで広く生息し、胸が栗色をしているのが特徴です。成虫は体長7~8mmで滅多に発光しませんが、まれに持続的な光を放つことがあります」(川野さん)

芋虫のような変わったホタルも?

沖縄県の西表島、石垣島には、イリオモテボタルが生息しています。

「メスは成虫になっても幼虫のような芋虫のような姿をしています。クリスマスからお正月頃の間に成虫が出てきて、メスの成虫は、お尻を上げて発光し、オスを呼びます。

交尾が終わったメスは地中にもぐって産卵し、体節の横にある発光器を光らせながら孵化(ふか)するまで卵を守る、とても変わったホタルです」(川野さん)

ホタルと間違えやすい虫は?

ホタルと間違えやすい昆虫もいるのでしょうか。

「ベニボタルやジョウカイボンの仲間が、よくホタルと間違われます。どちらも形状はホタルに似ていますが発光しません」(川野さん)

コロナ禍が落ち着いた今年は、全国各地でホタル祭りが開催されることでしょう。「夏の風物詩」として親しまれてきたホタルの舞いを、存分に観賞してみてはいかがでしょうか。
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