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週刊地震情報 2023.5.7 地震活動が長期間続く石川県能登でM6.5の最大の地震

2023/05/07 18:10 ウェザーニュース

この1週間で国内で観測された有感地震の回数は、前週に比べ大幅に多くなっています。

地震の大部分は石川県能登地方で発生したもので、5日(金)以降で70回以上に達しました。震度3以上の地震は14回発生し、今年初めて震度6強の揺れを観測しています。(5月1日~7日10時の集計)

国内:M6.5の地震で震度6強を観測

石川県能登地方の地震
5日(金)14時42分頃、石川県能登地方を震源とするマグニチュード6.5、深さ12kmと推定される地震が発生しました。この地震で石川県珠洲市で最大震度6強を観測。そのほか、能登町で震度5強、輪島市で震度5弱、新潟県上越市、長岡市、佐渡市、富山県高岡市、氷見市、石川県七尾市、金沢市、福井県あわら市、坂井市など広い範囲で震度4を観測しています。

国内で震度6強の揺れを観測するのは、去年3月16日の福島県沖の地震以来。石川県内に限定すると、2007年3月の「平成19年(2007年)能登半島地震」以来16年ぶりです。

地震のメカニズムは北西ー南東方向に圧力軸を持つ逆断層型と解析されています。能登地方で続く一連の地震活動と同じタイプでした。

また、この地震では長周期地震動の予測の運用開始後、初めて緊急地震速報で発表され、実際に石川県能登では階級3が観測されています。

震源はこれまでより北に分布

石川県能登地方で発生したM5以上の地震(2021年以降)
マグニチュード6.5の地震以降は一時的に活動が活発になり、5日(金)21時58分頃にマグニチュード5.9、深さ14kmと推定される地震が起きています。体に感じる地震の回数は7日(日)朝までに70回以上発生しました。

2021年以降、今回の地震の前までにマグニチュード5以上の地震は3回起きていました。これまでの最大規模だった2022年6月19日のマグニチュード5.4でしたので、今回のマグニチュード6.5は40倍以上のエネルギーです。

また、5日(金)以降の活動は能登半島の北岸ギリギリから海域に震源が分布していて、これまでの活動域の中では北側の領域です。震源の位置の変化や拡大などがあるのか注視が必要となります。

能登半島の地震はメカニズムが不明な点が多く、今後の活動がどうなるかの見通しははっきりしません。珠洲市や能登町など震源域に近い地域では、引き続き強い揺れに対する備えを行ってください。

世界:日本以外ではM6以上の地震なし

世界のM4.5以上の地震(USGSホームページ引用/ウェザーニュース加工)
アメリカ地質調査所の解析によるマグニチュード6以上の地震は1回発生しました。最も大きなものは前述の石川県能登の地震です。

日本時間の1日(月)午前、イタリアの沖、ティレニア海を震源とするマグニチュード5.2、深さ約251kmと推定される地震が発生しました。

イタリアはアフリカプレートとユーラシアプレートの境界に位置していて、地震が多く発生します。深さが10km前後の浅い所で規模の大きな地震の起きることがあり、今回の震央に近い領域ではマグニチュード7クラスの地震が発生した記録があります。

ティレニア海の東部では今回と同じような深さ250km前後で、マグニチュード5クラスの地震もしばしば起きていて、もう少し西の海域では、深さ400km前後のさらに深い地震が発生しています。

参考資料など

※日本国内の震源・震度の情報は特に記載が無ければ気象庁より。海外の震源情報は特に記載が無ければアメリカ地質調査所(USGS)より。発表機関により震源情報に差が生じることがあります。