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週刊地震情報 2023.4.30 北海道・渡島地方西部が震源の地震で12年ぶりの震度3

2023/04/30 10:29 ウェザーニュース

この1週間で国内で観測された有感地震の回数は前週とほぼ同じ水準です。

関東から北海道の太平洋側の地震は多い状況が継続していて、西日本でも散発的に地震が起きています。震度3以上の地震は1回発生しました。(4月24日~30日10時の集計)

国内:地震が少ない北海道・渡島地方でM2.9

渡島地方西部の地震
28日(金)9時38分頃、北海道・渡島地方西部を震源とするマグニチュード2.9、深さ8kmと推定される地震が発生しました。この地震で北海道福島町で最大震度3を観測しています。

渡島地方西部を震源とする地震で震度3を観測するのは、2011年3月以来、12年ぶりです。

渡島地方は東部に分布する函館平野西縁断層帯が知られているくらいで、あまり地震の発生は多くない領域です。2011年に発生した地震は今回の震源に近く、地震の規模もほぼ同じでした。

今回の震源よりも北東側ではマグニチュード4後半のやや規模の大きな地震が発生した記録があります。

また、陸域の地震は少ないものの、1993年の北海道南西沖地震のような海域の大きな地震のリスクはあるため、油断はできません。

世界:マグニチュード7超の地震が2回発生

世界のM4.5以上の地震(USGSホームページ引用/ウェザーニュース加工)
アメリカ地質調査所の解析によるマグニチュード6以上の地震は4回発生しました。最も大きな地震はインドネシアとケルマデック諸島近海で発生したマグニチュード7.1です。

日本時間の25日(火)早朝、インドネシア・スマトラ島の沖を震源とするマグニチュード7.1、深さ約16kmと推定される地震が発生しました。地震のメカニズムは北東ー南西方向に圧力軸を持つ逆断層型と解析されています。

震源の近くでは改正メルカリ震度階級でVIIの強い揺れに見舞われたとみられます。スマトラ島は震源から少し離れていたため強い揺れにはならず、被害の報告はありません。

スマトラ島の沖はオーストラリアプレートとユーラシアプレートの境界で、世界でも有数の巨大地震の発生エリアです。今回の地震は2004年に発生したマグニチュード9.1の地震の震源域よりは南東側に離れた領域で発生しています。

参考資料など

※日本国内の震源・震度の情報は特に記載が無ければ気象庁より。海外の震源情報は特に記載が無ければアメリカ地質調査所(USGS)より。発表機関により震源情報に差が生じることがあります。