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簡単! 春の野草「よもぎ」茶の作り方&残った茶葉の活用法

2023/04/03 05:06 ウェザーニュース

春の香りの良い野草の一つによもぎがあります。道端や公園など身近な場所に生えていて、どちらかというと日本では「雑草」扱いされています。

しかし、世界中に分布するよもぎは、ヨーロッパでは「ハーブの母」「ハーブの女王」とも呼ばれ、かつ薬効もあることから大事にされています。

よもぎは、お茶にして飲むこともできるそうです。作り方など詳しい話を、東京巣鴨の茶販売店、有限会社山年園(やまねえん)の代表取締役、塩原大輝さんに伺いました。

よもぎは身近なファイトケミカル

近年、ポリフェノールやリコピン、クロロフィル、アントシアニンなど抗酸化作用、抗ガン作用などを持つ物質が注目されています。

「これらはファイトケミカル(フィトケミカル)と呼ばれます。ファイトケミカルとは、植物が紫外線や昆虫、腐敗やウイルスなどの脅威から身を守るための自己防衛物質のことですが、第7の栄養素として脚光を浴びています。

よもぎにはファイトケミカルの一つ、クロロフィルのほか、食物繊維、ビタミンA、B群、C、Eなどのビタミン類、フラボノイド、鉄分、カリウム、カルシウムなど豊富な栄養成分が含まれています。

漢方薬では艾葉(がいよう)として古くから利尿作用、血行促進、冷え性改善などの効果があるとして用いられてきました」(塩原さん)

このよもぎを使って、簡単にお茶を作ることもできるそうです。作り方を伺いました。

よもぎ茶を作るときの注意点

生のよもぎからお茶を作るのは簡単ですが、いくつか注意点があります。

「よもぎはどこにでも生えているので採集も難しくはありません。しかしどこにでも生えているだけに、まず除草剤や農薬、犬や猫の糞尿、アブラムシなどの害虫、排ガスの汚染のないところのものを見つけるのが必須です。

次に、よもぎはムラサキケマン、トリカブトといった毒を持つ植物と類似しているため、取り違えて中毒を起こすという事例が報告されています。採集する場合には、野草に詳しい方に同行してもらいましょう。採集は今の時季、3~5月が絶好です」(塩原さん)

よもぎ茶の作り方

【作り方】
(1)採集した生の葉を丁寧に洗って水気を切り、葉だけにする。
(2)蒸し器で30秒ほど蒸し、ザルや新聞紙の上に広げる。
(3)風通しの良い所で3~4日ほどカラカラになるまで干し上げて出来上がり。

よもぎ茶の淹れ方と残った茶葉の活用法

「お茶ができたら、やかんや鍋に水1Lに対し茶葉5~10gを入れて沸かし、沸騰してから弱火にして1~2分煮出してください。

急須やティーポットで入れる場合は、1つに対し茶葉15gと沸騰した湯を入れ、3~4分待てばよもぎ茶が出来上がります」(塩原さん)

また、お茶を入れた後の茶葉は、ティーバッグに入れて入浴剤にしたり、刻んで白ご飯に混ぜたりして調理することもできるそうです。

「ティーバッグを10個くらい集めたら、入浴剤としてお風呂でも活用できます。湯船にお湯をはるときにティーバッグを一緒に入れておくだけ。ほんのりとしたよもぎの香りでリラックスでき、ポカポカと体が温まるよもぎ風呂が楽しめます。

さらに、混ぜご飯を作るときの具材の一つとして加えてもいいですし、ハンバーグに混ぜ込んでしまっても美味しくいただけます」(塩原さん)

身近なファイトケミカル、よもぎ。栄養豊富で香りも良い和風ハーブを採集してよもぎ茶に挑戦してみませんか。

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参考資料など

取材協力/山年園