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花粉対策の盲点とは!? 家の中で花粉が溜まりやすい意外な場所4選

2023/03/30 04:57 ウェザーニュース

今年は例年に比べて花粉の飛散量が多く、スギ花粉だけじゃなく、ヒノキ花粉の大量飛散が九州から西日本、東日本へと広がりつつあります。

花粉を外出時に吸い込んだり、衣服に付着したりすると花粉症の大きな原因になりますが、屋内に持ち込まれた場合もその危険性が高まります。

そこで、家の中で花粉が溜まりやすい意外な場所や、花粉が侵入してしまった際の効果的な掃除法について、おそうじ本舗の技術アドバイザー・尾崎真さんに解説して頂きました。

玄関や網戸、サッシなど侵入経路の掃除はこまめに

花粉の侵入場所として真っ先に思い浮かぶのが玄関です。外出先から帰宅した際にまず注意することは何でしょうか。

「花粉に加えて、この時季は黄砂にも注意が必要です。それらを家の中から排除するためには、侵入経路を抑えることが効果的です。

とくに始終人が出入りする玄関は開口部が大きいため、花粉が最も入り込みやすい場所です。外から帰ってきたとき、体じゅうに目に見えない花粉が大量に付着しています。そこでいちばんやってはいけないことが、屋内に入ってからコートや帽子などを脱ぐことです。

それによって花粉が家中に飛散されてしまいます。帰宅してもすぐ玄関に入らないで、まず屋外でコートや帽子を振って花粉を払って、脱衣所や浴室で部屋着に着替えるよう心がけてください」(尾崎さん)

玄関以外におもな花粉の侵入経路として考えられる場所はどこになりますか。

「窓のサッシと網戸です。窓を開けた際に外気とともに侵入してくる花粉への注意はもちろんですが、サッシと網戸の汚れも花粉が付着する大きな原因となります。

花粉が飛散している時季は冬場からの汚れをそのままにしておかず、こまめに掃除しておくことを心がけてください」(尾崎さん)

それぞれの効果的な掃除法はありますか。

「玄関の汚れは花粉のほか、砂・泥・ホコリなどの乾いた汚れですので、水分によって汚れを舞い上げずに掃除をしましょう。ちぎった古紙か新聞紙を濡らして玄関に撒(ま)いてから、ホウキで奥(室内側)から外へ向かって小幅に掃きます。

網戸はナイロンタオルとタオルを濡らして硬く絞り、外側はナイロンタオル、室内側はタオルをあてて両手で挟んで拭いていきます。ナイロンタオルの凹凸を使って網目の外側についた汚れをかき出し、タオルで受けて拭き取ります。

窓サッシは定規に固く絞ったタオルを巻き付け、斜めにひねりながら奥まで拭いてください」(尾崎さん)

花粉の溜まり場になりやすい玄関と窓のサッシ、網戸の汚れチェックとこまめな掃除は大切なポイントといえます。そのほか、家の中には花粉が付着しやすく盲点ともいえる見落としがちな場所がいくつも存在しているといいます。

見落としがちな場所は次の4ヵ所、掃除法のポイントはいずれも「湿らせてこまめに掃除する」ことだそうです。

見落としがちな場所(1)ファブリック製品・家具

「ファブリック素材のカーテンやソファ、ラグやマットなどと家具は、花粉が蓄積しやすい場所のひとつです。テーブルなどのつるつるした面と違って、ファブリック素材の表面は繊維が凸凹しているため花粉がからまり、付きやすくなっています。

素材の洗濯表示を確認して、洗濯機で洗えるものは洗濯ネットに入れて2週間に1度をめどに丸洗いしましょう。すすぎの際に柔軟剤を入れると、含まれる静電気防止剤の働きで花粉が付きにくくなる効果があります。

洗濯機で洗えないものはゆっくりと掃除機をかけて、仕上げに市販の静電気防止剤を水で薄めてスプレーすると、花粉の付着が予防できます」(尾崎さん)

ファブリックの家具は花粉をはじめ、食べかすや髪の毛、チリなどカビやダニのエサになる汚れが蓄積されやすいそうです。ただし、ソファやイスは洗濯機で洗うことは不可能ですので、入念に掃除機をかけるか、掃除のプロに任せるのがいいでしょう。

見落としがちな場所(2)家電製品

「テレビやパソコン、電子レンジや冷蔵庫などの家電製品は、熱を放出するために空気を対流させる過程で細かなホコリに混じって花粉も付着しています。また、家電製品は静電気を帯びやすく、花粉がぴったりしがみつきやすい場所になります。

家電製品は水で濡らして固く絞ったタオルまたはキッチンペーパーで、花粉を舞い上げないようにそっと拭いていきます。

液晶画面は傷がつきやすいので、タオルやキッチンペーパーは使わず、専用のクリーナーを使用するようにしてください」(尾崎さん)

見落としがちな場所(3)エアコン、空気清浄機

「エアコンは室内の空気を循環させて室温を快適に保つ機器ですので、空気が花粉で汚染されているとフィルターや内部まで汚れが溜まって、カビや悪臭の原因になります。

エアコンを掃除する前に、洗面所か風呂の排水口のゴミ受けにゴミ取りネットを被せておいてください。フィルター掃除の際に落とした汚れが排水口に詰まらず、後片付けも捨てるだけなので楽になります。

エアコンのカバーを開き、掃除機のノズルで表面の花粉やホコリを吸い取ってから、ホコリが落ちないようにフィルターを静かに外し、フィルターの裏側からシャワーをあてて汚れを落とします。

油汚れなどがひどい場合は、歯ブラシに食器用中性洗剤を付けて、やさしくこすってください。最後にフィルターに残った水分を乾いたタオルでしっかりと拭き取り、元に戻します」(尾崎さん)

空気清浄機は室内の空気をきれいにしますが、機器そのものには花粉が付着した汚れが溜まっていきます。本体が汚れたままでは、せっかくの清浄機能も性能が十分に発揮されないことがあるそうです。

「空気清浄機の吸気口には花粉やホコリが付着しやすいので、取り外す前に掃除機で吸い取っておきます。取り外すことのできるパネルやフィルターは、外して水洗いします。

タオルで水分をふき取り乾かしたのち、乾いたタオルに少量のヘアコンディショナーを付けて揉みこんでなじませ、外側を拭いて汚れの付着を予防します」(尾崎さん)

なお、集塵(しゅうじん)フィルターなど水洗いできない部品もあるので、掃除の前に取扱説明書を確認しておく必要があります。

見落としがちな場所(4)換気口

2003(平成15)年7月以降に建てられた建物には、シックハウス対策として24時間換気システムなど、機械換気設備の設置が義務付けられています。そのため、家の中のあちこちに「換気口」が設けられています。

「換気扇を動かしたりエアコンや空気清浄機などの空気を循環させる家電を運転したりすると、換気口から花粉を含んだ外の空気が室内へ取り込まれます。そのため、換気口も花粉の溜まりやすい場所になっています。

換気口が外せる場合はつまみをひねり、外して掃除します。種類によっては部品と壁紙が密着していて、外すと壁紙もはがれる場合がありますので、無理に外さず表面のみ拭き掃除をしてください。

水で濡らして固く絞った雑巾で吸気口の周囲を拭き取ります。隙間に残った汚れはブラシを使って水洗いします。油汚れなどで汚れが頑固な場合は、中性洗剤を使用してください。

乾拭きしたのち、市販の花粉フィルターを取り付けます。フィルターがない場合はキッチン換気扇用の使い捨てフィルターを排気口のサイズに合わせてカットしたもので代用できます。換気口が外せない場合は拭き掃除ののち、室内側に両面テープなどでフィルターを張り付けてください」(尾崎さん)

スギ花粉のピークが過ぎても、ヒノキ花粉のピークはこれからです。花粉症で悩んでいる人は特に見落としがちな花粉の溜まり場所を把握し、こまめで適切な掃除を心がけましょう。
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参考資料など

取材協力:おそうじ本舗 技術アドバイザー・尾崎真氏