急性アルコール中毒はなぜ危険!?
そもそも急性アルコール中毒とはどんな原因で、どんな症状が生じることをいうのでしょうか。
「まず、『酒酔い』とは酒に含まれているアルコール成分が血液に溶けて脳まで運ばれ、脳に作用することで起きます。急性アルコール中毒とは、短い時間に多量の酒を飲むことで血中アルコール濃度が急上昇し、脳に悪影響を与える症状をいいます。
血中アルコール濃度がまだ低いときは『ほろ酔い』といって陽気になったり顔が赤くなったりする程度ですが、濃度の高まりとともに『酩酊(めいてい)』になり、呼吸が速くなったり吐き気やおう吐がおきたりします。このとき、脳では網様体(もうようたい)と呼ばれる部分にとどまっていた、まひが小脳まで広がっています。
さらに『泥酔(でいすい)』へ進むとまともに立てない、意識がはっきりしない、言語がめちゃくちゃになるなどの症状が現れます。脳内ではまひが記憶の中枢を司る海馬(かいば)まで広がっていて、今やっていることや起きていることを記録できなくなる、ブラックアウト状態にまで陥ってしまっています。
最悪ともいえる『昏睡(こんすい)』に至ると意識が失われ、呼吸回数が減ったりするようになります。この状態だと脳のまひはすでに全体に広がっていて、呼吸中枢まで冒され、死に至ることもあるのです。
『イッキ飲み』が危険とされるのは、ほろ酔いから昏睡までの時間が短くなる可能性が高まるからです」(山口先生)
意識を失って汚物がのどに詰まり、死に至るケースもあるそうです。また、ふらついて転倒したり車などにひかれるなどのリスクも生じるため、飲酒時は急性アルコール中毒以外にも注意が必要です。
「まず、『酒酔い』とは酒に含まれているアルコール成分が血液に溶けて脳まで運ばれ、脳に作用することで起きます。急性アルコール中毒とは、短い時間に多量の酒を飲むことで血中アルコール濃度が急上昇し、脳に悪影響を与える症状をいいます。
血中アルコール濃度がまだ低いときは『ほろ酔い』といって陽気になったり顔が赤くなったりする程度ですが、濃度の高まりとともに『酩酊(めいてい)』になり、呼吸が速くなったり吐き気やおう吐がおきたりします。このとき、脳では網様体(もうようたい)と呼ばれる部分にとどまっていた、まひが小脳まで広がっています。
さらに『泥酔(でいすい)』へ進むとまともに立てない、意識がはっきりしない、言語がめちゃくちゃになるなどの症状が現れます。脳内ではまひが記憶の中枢を司る海馬(かいば)まで広がっていて、今やっていることや起きていることを記録できなくなる、ブラックアウト状態にまで陥ってしまっています。
最悪ともいえる『昏睡(こんすい)』に至ると意識が失われ、呼吸回数が減ったりするようになります。この状態だと脳のまひはすでに全体に広がっていて、呼吸中枢まで冒され、死に至ることもあるのです。
『イッキ飲み』が危険とされるのは、ほろ酔いから昏睡までの時間が短くなる可能性が高まるからです」(山口先生)
意識を失って汚物がのどに詰まり、死に至るケースもあるそうです。また、ふらついて転倒したり車などにひかれるなどのリスクも生じるため、飲酒時は急性アルコール中毒以外にも注意が必要です。
特に注意すべきはどんな人?
急性アルコール中毒になりやすい体質のようなものはあるのでしょうか。
「酒を飲むと顔が赤くなるタイプの人は『赤型体質(あかがたたいしつ)』といって、アルコールの分解が遅いのです。そのためアルコールの血中濃度が下がりにくく、急性アルコール中毒のリスクが高いといえるでしょう。
また、一般的に女性と若年層、高齢者もアルコールの分解が遅いとされています。とくに若年層は酒を飲みなれていないので、自分の『限界』がわからず、アルコールに対する耐性も弱いため、急性アルコール中毒になりやすいといえるでしょう」(山口先生)
「酒を飲むと顔が赤くなるタイプの人は『赤型体質(あかがたたいしつ)』といって、アルコールの分解が遅いのです。そのためアルコールの血中濃度が下がりにくく、急性アルコール中毒のリスクが高いといえるでしょう。
また、一般的に女性と若年層、高齢者もアルコールの分解が遅いとされています。とくに若年層は酒を飲みなれていないので、自分の『限界』がわからず、アルコールに対する耐性も弱いため、急性アルコール中毒になりやすいといえるでしょう」(山口先生)
急性アルコール中毒を防ぐための5つのポイント
急性アルコール中毒を防ぐには、どのような方法がありますか。
「次の5つのポイントが挙げられます。
(1)お酒を飲むときには自分の適量、その日の体調を把握する
とくに風邪薬や花粉症の薬などを服用している場合は、アルコールを控えるようにしましょう。どうしても酒席に参加する必要があるときなどは、事前に医師に相談してください。
(2)「イッキ飲み」はせず、無理強いもしない・させない
先にも述べましたが、短時間に多量のお酒を飲むと血中アルコール濃度が急上昇するため、急性アルコール中毒の危険性も高まります。相手に飲酒を強要してもいけません。
(3)酒が飲めない体質の人は事前に周囲の人へ伝えておく
そうすることで、もし無理強いしようとする人がいても他の人がたしなめてくれやすくなります。
(4)空腹のままお酒は飲まない、飲むときは食べ物も一緒に
食べ物が胃を守ってアルコールの吸収を緩やかにしてくれます。
(5)アルコール度数が高いお酒は水や炭酸水などと併せて飲む
アルコール度数の高い酒は胃への刺激が強いため、大量に飲むのと同じように血中アルコール濃度が急上昇してしまいます。アルコール度数が高いお酒を飲むときは水割りにしたり、水や炭酸水などのアルコールを含まない飲料と交互に飲んだりするようにしてください。
特に大切なのは相手に酒の無理強いをしないことです。お酒に強い体質かどうかは、体内に入ったアルコールを分解する肝臓の酵素の働きで決まります。お酒を少し飲んだだけで顔が赤くなる方は、アルコールを分解する酵素の働きが弱く、酔いやすい体質です。
この体質は遺伝的なものなので、飲酒の経験を積んだからといって簡単に変わることはありません。人によっては、ほんのひと口のお酒でも重症化することがあります」(山口先生)
「次の5つのポイントが挙げられます。
(1)お酒を飲むときには自分の適量、その日の体調を把握する
とくに風邪薬や花粉症の薬などを服用している場合は、アルコールを控えるようにしましょう。どうしても酒席に参加する必要があるときなどは、事前に医師に相談してください。
(2)「イッキ飲み」はせず、無理強いもしない・させない
先にも述べましたが、短時間に多量のお酒を飲むと血中アルコール濃度が急上昇するため、急性アルコール中毒の危険性も高まります。相手に飲酒を強要してもいけません。
(3)酒が飲めない体質の人は事前に周囲の人へ伝えておく
そうすることで、もし無理強いしようとする人がいても他の人がたしなめてくれやすくなります。
(4)空腹のままお酒は飲まない、飲むときは食べ物も一緒に
食べ物が胃を守ってアルコールの吸収を緩やかにしてくれます。
(5)アルコール度数が高いお酒は水や炭酸水などと併せて飲む
アルコール度数の高い酒は胃への刺激が強いため、大量に飲むのと同じように血中アルコール濃度が急上昇してしまいます。アルコール度数が高いお酒を飲むときは水割りにしたり、水や炭酸水などのアルコールを含まない飲料と交互に飲んだりするようにしてください。
特に大切なのは相手に酒の無理強いをしないことです。お酒に強い体質かどうかは、体内に入ったアルコールを分解する肝臓の酵素の働きで決まります。お酒を少し飲んだだけで顔が赤くなる方は、アルコールを分解する酵素の働きが弱く、酔いやすい体質です。
この体質は遺伝的なものなので、飲酒の経験を積んだからといって簡単に変わることはありません。人によっては、ほんのひと口のお酒でも重症化することがあります」(山口先生)
急性アルコール中毒になった人への正しい対処法
もしも周囲の人が急性アルコール中毒の症状を示したら、どのように対処すればいいでしょうか。
「次に挙げる症状が見られたらすぐに119番通報して救急車を呼んでください。
意識がなくゆすっても呼びかけても反応しない/全身が冷えきっている/呼吸がおかしい/大量の血や食べ物を吐いた/倒れて口から泡を吹いている
『酔いつぶれた』状態の人がネクタイやベルトをしている場合は外し、衣服をゆるめて楽にしてやります。そのうえで一人にしないで誰かが必ず付き添ってください。さらに呼吸をしているか、脈があるかを時々確認してください。
意識を失った場合にあお向けに寝かせていると、おう吐した食べ物で窒息する可能性があるので、顔を横に向けて寝かせてください。これを『回復体位』といいます。長時間回復体位をとらせるときには、下になった側が血液の循環が悪くなるので、30分ごとをめどに反対向きの回復体位にしてください。
おう吐しているときは抱き起こさずに横向きのままで。吐いたものはよく拭き取ります。自分で吐けない場合は無理に吐かせないようにしてください。
急性アルコール中毒になると体温が下がりますので、上衣や毛布などをかけて保温してください。意識がある場合は水分補給と血中アルコール濃度を下げるのに有効ですので、水やお茶、スポーツドリンクなどを飲ませてください」(山口先生)
急性アルコール中毒は病気と違って、自分や周囲の心がけ次第で回避できる症状です。
この春は歓送迎会や花見が3年ぶりという人も多いでしょう。せっかくの酒席を楽しいものにするために、「5つのポイント」をしっかり守るようにしましょう。
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「次に挙げる症状が見られたらすぐに119番通報して救急車を呼んでください。
意識がなくゆすっても呼びかけても反応しない/全身が冷えきっている/呼吸がおかしい/大量の血や食べ物を吐いた/倒れて口から泡を吹いている
『酔いつぶれた』状態の人がネクタイやベルトをしている場合は外し、衣服をゆるめて楽にしてやります。そのうえで一人にしないで誰かが必ず付き添ってください。さらに呼吸をしているか、脈があるかを時々確認してください。
意識を失った場合にあお向けに寝かせていると、おう吐した食べ物で窒息する可能性があるので、顔を横に向けて寝かせてください。これを『回復体位』といいます。長時間回復体位をとらせるときには、下になった側が血液の循環が悪くなるので、30分ごとをめどに反対向きの回復体位にしてください。
おう吐しているときは抱き起こさずに横向きのままで。吐いたものはよく拭き取ります。自分で吐けない場合は無理に吐かせないようにしてください。
急性アルコール中毒になると体温が下がりますので、上衣や毛布などをかけて保温してください。意識がある場合は水分補給と血中アルコール濃度を下げるのに有効ですので、水やお茶、スポーツドリンクなどを飲ませてください」(山口先生)
急性アルコール中毒は病気と違って、自分や周囲の心がけ次第で回避できる症状です。
この春は歓送迎会や花見が3年ぶりという人も多いでしょう。せっかくの酒席を楽しいものにするために、「5つのポイント」をしっかり守るようにしましょう。
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