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富士山に「笠雲」かかる 東海や関東の天気下り坂を示唆

2023/03/05 09:52 ウェザーニュース

今日3月5日(日)は富士山の山頂付近に帽子のような雲「笠雲」が出現しています。

南の海上に雨雲が発生していて、湿った空気がだんだんと北上している影響です。東海や関東の天気の下り坂を示唆する雲と言えそうです。
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笠雲が見え始めると「天気が下り坂のサイン」とも

関東から東海の沖合では、東寄りの風と北西の風がぶつかることで、風の流れ方が変わる領域「シアーライン」が形成されています。その周辺の湿った空気により、雨雲が発生中です。

この雨雲が次第に陸地にも広がってくるため、東海や関東の天気は下り坂です。すでに静岡県の沿岸部で雨の降り出している所がありますが、午後は東海や関東南部で雨のエリアが拡大してくる予想になっています。東京都心でも夕方からは雨が降りやすくなる見込みです。

笠雲が見え始めると「天気が下り坂のサイン」と言われることがありますが、今日の笠雲はまさに天気下り坂の兆しと言えます。
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笠雲のできる仕組み

笠雲のできる仕組み
笠雲は富士山のような独立峰の山頂付近に現れる雲です。山が笠を被っているように見えることから笠雲と呼ばれます。
 ・上空を一定の強い風が吹いている
 ・上空の空気が湿っている
という気象条件の時に発生しやすくなります。

強い風が山にぶつかると、両側や上方に風の流れが変わります。空気が湿っているとき、空気が山にぶつかって持ち上げられると膨張して冷えることで雲ができ、山頂の風下側では再び空気が下ることで空気が暖まって雲が消える、という原理で山頂付近にだけ雲ができるのです。

時間が経過しても空気の流れは急には変化せず、風が上昇する過程で雲が出来て、風が下降する過程で雲が消えていくという現象を絶え間なく繰り返すことによって、同じ場所で雲が止まっているように見えます。
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写真:ウェザーリポート(ウェザーニュースアプリからの投稿)かずぼんZoo さん