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週刊地震情報 2023.2.19 福岡県北西沖でM4.3 2005年の活動とは離れた震源

2023/02/19 10:29 ウェザーニュース

この1週間で国内で観測された有感地震の回数は前週に比べると少ない水準です。

特に地震が集中している地域はみられず、北海道から九州、沖縄にかけて散発的に起きています。震度3以上の地震は2回発生しました。(2月13日~2月19日10時の集計)

国内:福岡県北西沖が震源の震度3は約3年ぶり

福岡県北西沖の地震
17日(金)19時38分頃、福岡県北西沖を震源とするマグニチュード4.3、深さは16kmと推定される地震が発生しました。この地震で福岡県宗像市で最大震度3、福岡県や長崎県、山口県で震度2を観測しています。

福岡県北西沖を震源とする震度3以上の地震は2020年3月以来で、地震のメカニズムは東西方向に圧力軸を持つ逆断層型と解析されています。

福岡県北西沖では警固断層帯の活動により2005年にマグニチュード7.0、最大震度6弱の地震が発生し、福岡市など広い範囲に被害をもたらしました。その後に発生した震度3以上の地震は、ほとんどが2005年の活動域で起きています。ただ、今回の震源は2005年よりも北東側で発生しました。

今回の震源の近い所には西山断層帯が分布しています。知られている断層の位置と震源が若干、離れており、断層帯の活動とは現時点では言い切れません。

西山断層帯は「大島沖区間」「西山区間」「嘉麻峠区間」の大きく3つの区間に分けられます。政府の地震調査研究推進本部によると、それぞれが活動した場合はマグニチュード7.3~7.6程度、全体が同時に活動した場合はマグニチュード7.9~8.2程度の規模の地震になると推定されています。

平均活動間隔に関して、はっきりとわかっていない点が多く、西山断層帯の将来の地震発生の可能性に関しては不明としています。

世界:ルーマニアでM5.6 震央付近で強い揺れか

世界のM4.5以上の地震(USGSホームページ引用/ウェザーニュース加工)
アメリカ地質調査所の解析によるマグニチュード6以上の地震は3回発生しました。3回の地震はいずれも太平洋プレートの境界で起きており、規模はマグニチュード6.1です。

このほかに、日本時間の14日(火)の深夜、ルーマニアの南西部を震源とするマグニチュード5.6、深さ約10kmと推定される地震が発生しました。地震のメカニズムは南北方向に張力軸を持つ正断層型と解析されています。震央付近では改正メルカリ震度階級でVIIの強い揺れがあったとみられますが、大きな被害には至っていないとみられます。

ルーマニアはユーラシアプレート上に位置しており、プレート境界からは少し離れています。マグニチュード5を超える地震は時々起きているものの、多くは深さが100km前後のやや深い地震です。マグニチュード7以上の地震の記録も残っており、最近では1990年5月のマグニチュード7.0、1977年にはマグニチュード7.5の地震が発生し、首都ブカレストで大きな被害に見舞われました。

参考資料など

※日本国内の震源・震度の情報は特に記載が無ければ気象庁より。海外の震源情報は特に記載が無ければアメリカ地質調査所(USGS)より。発表機関により震源情報に差が生じることがあります。