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エアコン暖房が観葉植物の大敵になることも!? 冬に枯らさないための対策とは

2023/02/23 04:52 ウェザーニュース

2020年1月以降、観葉植物を育て始めた人が多いそうです。コロナ禍で在宅生活が多くなり、観葉植物への関心が高まったものと思われます。同時に多くの人が、冬に観葉植物を枯らした経験があるようです。

ウェザーニュースで「観葉植物を枯らしてしまった経験」について、アンケート調査を実施したところ、「ある」という回答が72%を占める結果となりました(2023年2月17〜18日実施、8,836人回答)。

回答者のコメントを見ると、「ない」と答えた方の多くはそもそも観葉植物を育てた経験がないようです。つまり、育てたことがある方の大半は、枯らした苦い経験を味わっていることがわかりました。

そこで、屋内植物アドバイザー協会代表理事で株式会社COTOHA代表取締役の谷奥俊男(たにおく・としお)さんに、観葉植物を枯らさずに冬を越させる室内環境づくりを伺いました。

冬の観葉植物に関する悩みとは

三菱電機 霧ヶ峰PR事務局は、エアコン暖房が設置されている室内で観葉植物を育てている30~50代の男女600名(東京・大阪在住)に、意識調査を実施しました。

その中で、「エアコン暖房下で観葉植物を育てる際のお悩み」を尋ねたところ、次のようなランキングになりました(複数回答)。

▼1位/観葉植物にとって適切な室温であるか、わからない(43.3%)

▼2位/観葉植物にとって適切な湿度であるか、わからない(38.3%)

▼3位/エアコン暖房の温風が観葉植物にあたっているかどうか、気になる(33.2%)

▼4位/観葉植物にとって適切な換気の仕方がわからない(21.7%)

これらの悩みをどうすればいいか、谷奥さんに伺いました。

観葉植物は冬が苦手

観葉植物の多くは、本来、熱帯や亜熱帯地域の屋外で育った植物です。

「太陽光を遮光(しゃこう)したハウス内で屋内用植物として順応させた植物が多いため、寒さが本格化し乾燥する冬は、観葉植物にとって厳しい環境になります。

エアコン暖房の乾燥による観葉植物への悪影響には、十分注意しなければなりません。上記のお悩みは、次に紹介する方法で解決してください」(谷奥さん)

エアコン暖房も要注意! 理想的な室内環境は

▼1位/適切な室温


「観葉植物には『停滞期』と『成長期』があります。室温が1〜15°Cの場合は停滞期に入り、成長を止めて休眠状態になります。停滞期の中でも、室温が10°Cを下回ると葉を落としてしまうため、せっかく育てた植物の葉を観て楽しむことができません。

そのため、観葉植物を楽しむには、室温は最低でも10℃を下回らないようにしてください。また、室温が0°Cを下回ると水分を含んだ土が凍り、根がいたんで枯れてしまう可能性が高いため、長期間家をあける場合は、保温カバーなどで鉢を覆い、土を冷やさないように気をつけましょう。

室温が16〜25°Cの場合は成長期に入り、新芽が出てきて活き活きと育ち始めます」(谷奥さん)

▼2位/適切な湿度


「冬場の乾燥により、ハダニ、カイガラムシなどの病害虫が発生したり、蒸散(じょうさん)のスピードが早まり根から水分を吸い上げるのが追い付かず葉が乾燥して枯れてしまったりする等のリスクがあります。

観葉植物にとって室内の湿度は50~60%が理想的です。湿度管理が難しければ、葉に霧吹きで水分を与えて乾燥を防いでください」(谷奥さん)

▼3位/エアコン暖房


「エアコン暖房から出る乾燥した風が観葉植物に当たると、乾燥して上述したようなリスクが生じます。そのため観葉植物がある部屋では、観葉植物の位置やエアコン暖房の風向きを工夫して、温風が直接観葉植物にあたらないように調節してください」(谷奥さん)

ただし、暖房時にエアコンの風を観葉植物に当てないようにと風向を水平にしてしまうと、部屋があたたまりません。

三菱電機 霧ヶ峰PR事務局によると、そういう場合は「あたたかい空気は上の方に溜まりやすい」という空気の特性を活かして風向を「下向き」に設定すると良いそうです。さらに、温風は床面に届いて床を伝って部屋全体に広がる性質があるので、風速を「強」にして床面まで届くようにするのがおすすめだといいます。

▼4位/適切な換気


「室内によどんだ空気が滞留していると病害虫が発生しやすくなります。そのため、お部屋に24時間換気システムがある場合でも、1日に1回は換気を行いましょう。24時間換気システムがついていない場合は、3~5時間を目途に換気を行うのがおすすめです」(谷奥さん)

プロが教える世話の仕方、4つのポイント

さらに、観葉植物を上手に育てるポイントを4つ教えていただきました。

(1)肥料の与え方
「新芽が出ていたら成長期、そうでなかったら停滞期です。停滞期には肥料を与えないようにしましょう」(谷奥さん)

(2)光の量
「十分な光量を確保してください。日光でも照明でもいいので、本が読める程度の明るさが1日6~8時間は必要です」(谷奥さん)

(3)水やり
「水は土表面ではなく、鉢の中心部の水分量を意識してください。市販の“水やりチェッカー”を使うと、鉢中心部の水分量が確認できます」(谷奥さん)

(4)設置場所
「温度変化が激しい窓際や空気が滞留しやすい(風通しが悪い)場所は避け、必要な光量が確保できる場所で育てましょう」(谷奥さん)

以上が冬に観葉植物を枯らさないための対策です。

これらの注意を守り、エアコン暖房を上手に使って、観葉植物のある生活を楽しみましょう。
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