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ウェザーニューズ予報センターの山口剛央さんに聞く、東日本大震災当時の様子

震災の経験を経て、ウェザーニュースLiVEの解説員として気を付けていることとは?

2023/03/14 10:07 ウェザーニュース

2011年3月11日、東日本大震災が発生してから12年。
東日本大震災発生当時の様子や、日々情報を発信する立場として気を付けていることについて、予報センターの山口さんに聞きました。

◆ウェザーニュースLiVE配信中に突然の大地震、当時の記憶


※当時のことを思い出してしまう方は、ご視聴をお控えください※

2011年3月11日14時46分頃、宮城県牡鹿半島の東南東130km付近の深さ24kmを震源とする地震が発生、マグニチュード(M)は9.0。
これは日本の観測史上最大規模の地震で、宮城県北部で最大震度7を観測しました。

幕張の本社で勤務中だったという山口さんに、当時の様子を伺いました。

「あの日のことは12年経っても鮮明に覚えています。
発生した瞬間はスタジオとは別のフロアで仕事中だったのですが、強くそして異様に長い揺れに何が起きているのか最初は理解が追い付きませんでした。

速報で震度7、大津波警報が出たことを知って「これは大きな被害になる」と周囲の人に伝えて、スタジオに向かったのを覚えています。」

◆情報を伝えながら超巨大地震の恐ろしさを実感

2011年3月11日、15時ごろから解説担当としてカメラの前に座り、最新の情報を発信し続けた山口さん。
連発する緊急地震速報や幕張で感じる強い余震など、とにかく大変な事態になっていることを実感したと言います。

「当時は、あまりの余震の多さに気象庁も地震情報の発表が遅れがちとなって、数十分前の震度マップを出さざるを得ない状況にもどかしさを感じていました。

放送中、横にいたスタッフの方に岩手県釜石市のニュース映像を一瞬だけ見せてもらいましたが、大津波が町の中に流れ込んでいる状況で、、、
とにかく逃げてという旨の話をずっとしていました。

遠く離れた幕張でも様々な被害が発生しており、怖いというよりも起きていることが信じられないという感じでした。」

◆「正確かつ、わかりやすく」解説員として心がけていることとは

地震発生後から、休憩をはさみながら翌日12日の夜まで解説を続けたものの、緊張状態からか不思議と疲れは感じなかったという山口さん。

当時の経験を経て、今も解説員として情報を発信する立場として山口さんが気をつけていることについて伺いました。

「正確かつ、わかりやすくお伝えすることはもちろんですが、地震に関してはその時点で『そのあと起きるかもしれないこと』も出来るだけ話をするようにしています。

「余震に注意」はいつも言われることですが、震源の深さが100kmや200kmなどの場合は、大きな余震はまず起きませんので、大きな余震の可能性は低いことをお伝えしています。

自然相手なので「絶対」はないのですが、起きるかもと言って空振りばかりになると、危機感が薄れてしまうことがむしろ怖いと感じるのです。

過去の例から見て危ないときはしっかり伝えるよう心がけていますし、わからない時は「わからない」と、はっきり言うよう意識しています。」

◆3.11「東日本大震災」に関する 特別番組を放送

2023年3月11日、ウェザーニュースLiVEでは地震に関する2つの特別番組を予定しています。


「地震波周期と被害の関係」
日時:3月11日(土)21時~
出演:山岸 愛梨(ウェザーニュースキャスター)、宇野沢 達也(ウェザーニュース予報センター)

12年前の東日本大震災では、この長周期地震動によって高層ビルが大きく揺れて被害が発生。
気象庁はこの長周期地震動による揺れについて、2023年2月1日から緊急地震速報を発表して注意喚起することになりました。
番組では、「地震波周期と被害の関係」について解説します。



「地震・津波の疑問にお答えします」
3月11日(土)23時~
出演:山口 剛央(ウェザーニュース予報センター)

皆さんの地震や津波の疑問にお答えします。


番組を通して地震や津波について関心を持ったり、備えを見直すきっかけにしていただけると嬉しいです。