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雪対策に車のワイパーを立てる4つの理由

2023/02/09 14:34 ウェザーニュース

雪が降る時には、ワイパーを立てて駐車している車をよく見かけます。特に雪の多い地域ではワイパーを立てる習慣があるようです。

実際にウェザーニュースで「冬に車のワイパーを立てておくことがある?」というアンケート調査を行ったところ、全体では「ある」「なし」がちょうど半々だったのに対して、都道府県別にみると地域の差が一目瞭然。北海道・東北・北陸地方や、西日本の日本海側などでは、「ある」の回答が多い結果となりました。

寒い地域ではいつも天気予報をチェックして、降雪が予想される日にはドライバーは駐車した車のワイパーを必ず立てておくことが多いようです。あまり雪が降らない地域の人にとってはピンと来ないかもしれませんが、これは雪国の常識です。
どういう理由でワイパーを立てるのでしょうか? 長野県に住むジャーナリストの小沢博さんに聞きました。

理由(1)窓ガラスにワイパーが凍り付かないようにする

「降雪時はもちろんですが、雪が降らなくても外気温が低くなる日は、ワイパーを立てておかないとフロントガラスにワイパーのゴムがガチガチに凍り付いてしまいます。

そうなると、手でワイパーをフロントガラスから引き剥がすことになりますが、力を入れないとなかなか剥がれないこともあるので、事前にワイパーを立てておく必要があります。リヤウインドウのワイパーも同様です」(小沢さん)

理由(2)車の雪落とし作業をスムーズに行う

「車に降り積もった雪を取り除くには、専用スティックなどを使って雪を落とすのですが、あらかじめワイパーを立てておくと、フロントやリアガラスの雪下ろし作業がしやすくなります」(小沢さん)

雪国で車のワイパーを立てておく理由は主にこの2つですが、そのほかに豪雪地帯では次のような効用も挙げられるそうです。

理由(3)ワイパーアームの変形や位置ずれ防止

「ワイパーを立てておかないと、降り積もる雪の重みでワイパーアームに負荷がかかって、正常な作動ができなくなるリスクがあります」(小沢さん)

理由(4)車を発見しやすくする

豪雪地帯では一晩に大量の雪が降り積もり、雪がほぼ車を覆ってしまうことがあります。ワイパーを立てておけばそれが目印になって、車がどこにあるのか発見しやすくなります。

しかし、雪の状態によっては、必ずワイパーを立てなければならないと言う訳ではありません。

「信州では2月後半頃、南岸低気圧がもたらす湿った雪を“上雪(かみゆき)”と言いますが、上雪のようなたっぷり水分を含んだ重たい雪が降る場合は、立てたワイパーアームが雪の重みで折れてしまう心配があります。気象状況によって立てるかどうかを決める方がいいでしょう」(小沢さん)

凍り付いたワイパーは無理に動かさない

ワイパーがガラスに凍り付いてしまった場合の注意点をオートバックスセブン広報IRの小笠原亮さんに伺いました。

「凍りついた状態でワイパースイッチを入れて動かそうとすると、ゴムが切れたりゴムが変形してしまう恐れがあります。またワイパーのモーターに負担がかかって焼きつきを起こす可能性もあります。ワイパーの機能自体が壊れてしまうことになります。無理に動かさないようにしましょう」と小笠原さんは言います。

気温が低くなる地域では、「雪用ワイパー」を備えている人も多いようです。

「雪用ワイパーはブレード自体が凍らないように設計されており、ゴムの長さや厚みが増しています。

普通のワイパーでは長時間雪が降る中を走行すると、ワイパーにまとわりついた雪の水分でフロントガラスが見えにくい状態に陥りがちですが、雪用ワイパーならブレード自体が凍らず 、雪を払いのけて視界を確保できます。雪が降った時にはかなりの効果をあげてくれます」(小笠原さん)

ワイパーは車の部品の中でも比較的細く傷みやすいパーツですから、雪によるダメージを特に受けやすいのです。輸入車など一部ワイパーを立てられない車種もありますが、そうした車を除けば、雪が心配な時は事前にワイパーを立てるようにしましょう。
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