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週刊地震情報 2023.1.22 北海道上川地方のM4.5で震度3 地震の少ない領域で発生

2023/01/22 10:34 ウェザーニュース

この1週間で国内で観測された有感地震の回数は前週とほぼ同じ水準です。

関東から北日本の太平洋側で地震が多く、九州から南西諸島にかけても地震の発生が目立ちました。震度3以上の地震は4回発生しています。(1月16日~22日10時の集計)

国内:北海道上川地方で震度3 去年夏の震度5強とは別の震源

上川地方北部の地震
17日(火)16時37分頃、北海道の上川地方北部を震源とするマグニチュード4.5、深さはごく浅くと推定される地震が発生しました。この地震で北海道和寒町、鷹栖町、比布町、愛別町で最大震度3を観測しています。

北海道上川地方北部を震源とする震度3以上の地震は、最大震度5強の地震が発生した去年夏の地震活動以来です。ただ、震源は離れており、別の活動とみられます。

今回の震源周辺では過去にあまり地震が発生していません。最大震度1以上の有感地震も2017年に2回、2006年に1回発生の記録が残っているだけです。周辺には知られている活断層はありません。

国内:小笠原諸島西方沖で深発地震 異常震域がみられる

小笠原諸島西方沖の地震
16日(月)13時50分頃、小笠原諸島西方沖を震源とするマグニチュード5.9、深さ422kmと推定される地震が発生しました。この地震で小笠原村で最大震度3、関東から東北南部で震度1の揺れを観測しています。

深さが400kmの深発地震だったため、異常震域の震源分布となりました。多くの地震では震央から同心円状に揺れの強い地域が分布しますが、深発地震では沈み込んだプレートに沿って強い揺れが伝わり、プレート境界に近い遠方で揺れが大きくなる現象がみられることがあり、これを「異常震域」といいます。

今回の地震では地震波が伝わりやすい太平洋プレートに沿って、北日本や東日本の太平洋沿岸に揺れが伝播したものと考えられます。

世界:南米・アルゼンチンでも深発地震

世界のM4.5以上の地震(USGSホームページ引用/ウェザーニュース加工)
アメリカ地質調査所の解析によるマグニチュード6以上の地震は6回発生しました。最も大きな地震はインドネシア近海で発生したマグチュード7.0です。

日本時間の21日(土)早朝、アルゼンチン北部を震源とするマグニチュード6.8、深さ約611kmと推定される地震が発生しました。地震のメカニズムは東北東ー西南西方向に張力軸を持つ正断層型と解析されています。

南米大陸はナスカプレートが南アメリカプレートに沈み込んでおり、チリなど太平洋沿岸では浅い所で巨大地震がしばしば発生している領域です。海から離れるほど震源は深くなり、今回の震源に近いアルゼンチン北部では深さ500~600kmあたりで地震が起きています。

参考資料など

※日本国内の震源・震度の情報は特に記載が無ければ気象庁より。海外の震源情報は特に記載が無ければアメリカ地質調査所(USGS)より。発表機関により震源情報に差が生じることがあります。