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二十四節気「大寒」 1年で最も寒い頃とされる“24番目の節気”

2023/01/20 04:54 ウェザーニュース

1月20日(金)からは、二十四節気「大寒(だいかん)」です。二十四節気はその名のとおり24に分かれていて、「立春」に始まり、「大寒」で終わります。

大寒は1年で寒さが最も厳しい頃といわれます。しかし、ただ寒いだけではありません。寒い時季ならではの趣深い事象や風物もたくさんあります。

冬ならではの現象の「霜」「霜柱」「霜の声」

霜は、気温が下がったときに空気中の水蒸気が地面や物に触れてできる薄い氷の層です。朝、霜が降りている光景を目にすると、身が引き締まる思いをする人は多いでしょう。

地表にできる小さな氷柱である「霜柱」は、踏むと「サクッ、サクッ」などと鳴ります。音に加えて、踏んだ感触も心地よく、童心に返れるひとときかもしれません。

「霜の声」はこれとは違って、霜が降りたときのしんしんとした感じを指す言葉です。「声」という語を使っているところに、先人の繊細な感性が感じられます。

「霜」も「霜柱」も「霜の声」も冬の季語です。「霜」の語を入れて一句詠んでみるのも、楽しいものです。

滝も凍る「氷瀑(ひょうばく)」の時季

滝のことを「瀑(ばく)」ともいい、氷結した滝を「氷瀑」といいます。気温が氷点下まで下がると、滝は凍り、氷瀑になります。

「ザーッ」「ダーッ」と、ふだんは聞こえる滝の音が、凍ることで、パタリと途絶えます。静寂の中、眼前に迫る壮麗な氷の塊は見る者の心をとらえるでしょう。

日本三名瀑の一つに数えられる袋田(ふくろだ)の滝(茨城県)は、氷瀑になることでも知られています。高さ120m、幅73mの大規模な滝が凍る様は圧巻です。

寒い日の子供の遊び「押し競饅頭」

「押し競饅頭」は「おしくらまんじゅう」と読みます。

多くの人が寄り集まって、背中を向けて円陣を組んで、互いに押し合い、誰かを押し出すなどする遊びです。子供のころ、「おしくらまんじゅう、押されて泣くな♪」と歌いながら、遊んだ人も多いでしょう。

押し競饅頭をすると、真冬の寒い日でも、体がポカポカ温まります。

しかし最近は、子供たちが公園などで押し競饅頭をしている光景をほとんど見ませんね。

子供たちの「おしくらまんじゅう、押されて泣くな♪」という元気な歌声をまた聞きたいものです。

「ヒカンザクラ」と「カンヒザクラ」は同じ桜

小寒(しょうかん)や大寒の時季に、沖縄から桜の開花のニュースが届くことがあります。今年は1月7日に沖縄気象台から開花の発表がありました。この桜はヒカンザクラ、あるいは、カンヒザクラと呼ばれる桜です。漢字では、それぞれ「緋寒桜」「寒緋桜」と書きます。

もともとの名称は「ヒカンザクラ(緋寒桜)」ですが、これだと、別種の「ヒガンザクラ(彼岸桜)」と間違われることもあるため、「カンヒザクラ(寒緋桜)」の呼び名が生まれた経緯があります。

冬の季語として採用されているのは「緋寒桜」のほうです。

ヒカンザクラとカンヒザクラは同じ桜で、ヒガンザクラは別の桜。ちょっとややこしいですね。

ソメイヨシノよりも濃いピンクの花を咲かせるヒカンザクラ(カンヒザクラ)。沖縄県民でなくとも、「桜開花」の報を見聞きすると、うれしくなりますね。

本来、年に4回あった「節分」

節分は本来、文字どおり、季節の分かれる日のことで、立春・立夏・立秋・立冬の前日をいいました。この考え方では、節分は年に4回あることになります。

それが今では、主に立春の前日をいうようになっています。立春の前日なので、節分はまだ大寒です。


その名のとおり、大いに寒い日が続く大寒。挨拶代わりのように「今日も寒いですね」という言葉が飛び交う日々でもありますが、風の吹かない日などは足下の霜などに注意を向けつつ、ゆっくり散策してみるのもいいですね。
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参考資料など

監修/山下景子:作家。『二十四節気と七十二候の季節手帖』(成美堂出版)や『日本美人の七十二候』(PHP研究所)など、和暦などから日本語や言葉の美しさをテーマとした著書が多数ある。