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就寝前にやりがち? 睡眠の質低下につながる誤った冷え対策とは

2023/01/11 09:57 ウェザーニュース

朝すっきり目覚められない、暖房のきいた場所にいると眠気が襲ってくる、それは睡眠の質が悪くなっているのかもしれません。靴下をはいたり湯たんぽを使うといった、冬の就寝時に行いがちなNG習慣について解説します。

“暖かくして眠る“の誤り!?

冬の朝は暖かい布団の中が心地よく、なかなか離れ難いもの。しかし、「寝覚めが悪いようなら、そもそも質のよい睡眠が取れていないかもしれません」と睡眠コンサルタントの友野なお先生は忠告します。「冬は誤った寒さ対策で、睡眠の邪魔をしてしまっていることがあるからです」(友野先生)

冬にしてしまいがちな4つのNG習慣について、教えていただきましょう。

(1)就寝時に靴下をはく

足の冷えがひどくて眠れない、と悩む人は少なくありません。
 
「冷え対策として靴下を履くことがあるようですが、睡眠時にはおすすめできません。特によくないのが5本指靴下です。

ポイントになるのは体温です。人は手足の『皮膚温度』が高くなり、内臓などの『深部体温』が下がることで眠くなるようになっています。四肢から熱を放出することで深部温度を下げて、眠りに入る仕組みなのです。

従って、靴下を履いていると熱の放出がうまくできず、寝付きが悪くなってしまいます。5本指靴下も指に熱がこもってしまいます。足の冷えがつらいのなら、足首を冷やさないレッグウォーマーを使いましょう」 (友野先生)

(2)就寝前の熱いお風呂

1日の疲れを癒やし、リラックスするのに役立つと思われる入浴ですが、温度によっては入眠の邪魔をしてしまいます。

「入浴がスムーズな入眠に役立つのは、一度体温を上げて、それが下がることによって“眠気”を感じるようになるからです。ただし、高めの湯温で入浴すると、交感神経が活発になり、体が“目覚め”てしまいます。

入浴は、就寝の1〜2時間前に39〜40℃程度のぬるめの湯で10〜15分程度が効果的。その後はのんびり過ごすことで、入浴により1℃程度上がった深部体温がゆるやかに下がってよく眠れます」(友野先生)

(3)就寝中の電気毛布や湯たんぽ

寒い夜の強い味方といえば電気毛布と湯たんぽですが、意外にも睡眠の邪魔になってしまうといいます。

「電気毛布や湯たんぽは温かくて気持ちよいのですが、熱源となることで体温調節の邪魔となってしまいます。

しかし、布団に入ったときにヒヤっと冷たくて目が冴えてしまったり、寒すぎるのも考えものです。あらかじめ電気毛布や湯たんぽを布団に入れて温めておき、就寝時には布団の外に出したりスイッチを切るようにしましょう」(友野先生)

(4)就寝時に厚着

寒いからといって厚着して寝るのも、睡眠の妨げとなってしまうといいます。

「フリースなどで厚着すると、寝返りを打ちづらくなるのが問題です。人は、一晩に20〜30回ほど寝返りをするものです。寝返りをすることで、血液や体液の循環を促し、特定の部位にばかり重みがかかって骨や筋肉の負担となるのを防いでいるのです。また、寝返りは寝床のなかの温度調節にも役立っています。

寒ければ寝具などで調整して、寝返りしやすい状態をつくるためにも就寝時にはパジャマとして売られているものを着用すると良いでしょう。

また、厚着だけでなく、重めの掛けふとんや、柔らかすぎる敷きふとん、高さの合わない枕などもよくないので注意が必要です。寒いからと毛布など何枚も重ねるよりも、軽く保温性の高い羽根布団などのほうがよく眠れます」(友野先生)

寒い冬ですが、免疫力を上げるためにも睡眠は大切です。ぐっすり眠れる環境を整え、健やかに過ごしましょう。
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