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ドローン向けに独自開発、安全運航をサポートするお天気アプリ「ウェザーニュース」とは

2022/12/26 13:57 ウェザーニュース

ウェザーニューズの航空気象事業部は30年以上前から飛行機やヘリコプターの安全運航をサポートしてきました。また、近年注目を浴びるドローンの支援も開始しています。

今回は、ドローン向けの気象情報について、航空気象事業部のグループリーダーで、ドローンプロジェクトのリーダーも務める高森美枝さんに聞きました!

ドローンが飛行する上空150mまでの気象予測に挑戦

「近年、ドローンのビジネス利用に注目が集まり、実証実験が数多く行われています。
しかし同時に、ドローンとヘリコプターが接近・衝突してしまうリスクや、ドローンの墜落事故など、ドローン運航における課題が浮き彫りになっています。

また、ドローンのフライトは地上から上空150mまで、と決められており、飛行機やヘリコプターに比べて飛行高度が低い分、地形や建物の影響を受けた複雑な気象条件の中フライトすることになります。」(高森さん)

つまり、安全にドローンを飛行させるためには、ヘリコプターの飛行情報や細かくて正確な風の情報が必要になるということです。


“空の安全を守りたい“という想いで、ドローンを支援するプロジェクトを始動

「私は、かつて飛行機を操縦していた経験があり、全ての飛行機に対して「空の安全を守りたい」という強い想いでサポートしてきました。
ドローンが登場し社会的な期待が高まってきたころ、ドローンに対する安全運航支援のサポートも開始するため、ウェザーニューズは2015年にドローンビジネスプロジェクトを立ち上げました。」(高森さん)

ドローンビジネスプロジェクトでは、従来の航空気象チームのノウハウを活かし、実証実験への参加や、ドローン向けサービスの開発などを行っています。

具体的には、当社が独自に開発したヘリコプター向け動態管理システムを活用し、ドローンとヘリコプターとの衝突(コンフリクト)を避ける仕組みや、上空150mまでの複雑な気象現象を予測する250mメッシュの気象予測モデルを開発しました。

また2022年9月末には、累計3500万ダウンロードのお天気アプリ「ウェザーニュース」をそのままビジネスにご利用いただける『ウェザーニュース for business』をリリースしており、ドローン向けにカスタマイズして既にお客様への提供を開始しています。

お天気アプリでドローンの安全運航を支援する『ウェザーニュース for business』を開発

「関わりのあるドローン関係の事業者様では、ありがたいことにほとんどの企業で、既にお天気アプリ「ウェザーニュース」の一般向けコンテンツをご利用いただいています。

加えて、『ウェザーニュース for business』をご契約いただくと、日頃活用している「ウェザーニュース」のアプリ内で、ドローン事業者専用の気象情報を取得できるようになります。
新たにアプリをダウンロードする必要はありません。」(高森さん)

予報精度No1のピンポイント天気予報はもちろん、個人向け有料コンテンツも利用できるため、高解像度の雨雲レーダーや雨雲アラームなどを組み合わせて、ドローンの運航判断にお役立ていただけます。

「ドローンに関する国家資格の教則にも気象情報の活用は明記されており、『ウェザーニュース for business』の企業専用ページでは、天気・風向風速・注警報など必要最低限の気象情報を一元的に確認できるほか、専門的な鉛直方向の風予測を確認できるため、利便性が高いと好評です!」(高森さん)

10日前からフライト中まで、飛行計画の策定や急変する天気の把握に


『ウェザーニュース for business』は、ルートを設定するだけで誰でも簡単にご利用いただけます。

事前に緯度経度を入力しておくことで、10~4日前には各ポイントの天気を確認したり、天気図とあわせて運航スケジュールを作成することが可能です。
また、3日前~当日にかけては、上空150mまでの高解像度な気象予測を確認して、飛行高度やルートの選定に役立てることができます。

飛行に影響する強い雨風を予測した場合には、プッシュ通知が届きます。
超高解像度雨雲レーダーを確認するなどして、急な天気の変化に備えることができます。

現在、無償トライアルを実施しており、開始から2か月間ご利用いただけます。
ドローンの運航に関わる法人の方は、この機会にぜひお試しください。

詳細はこちら>


※お申し込み受け付けは2022年12月~2023年1月末まで

実用化に向け、パイロットに寄り添った情報発信を目指す

既に海外では、ドローン物流が実用化のレベルまできています。
日本でも、ドローンの実用化に向けて2022年12月5日に有人地帯におけるドローンの目視外飛行「レベル4」が解禁されるなど、法整備が進んでいます。

「今後さらにドローンの活用が発展すると、1人の運航管理者が複数のフライトを管理したり、自動操縦で多くのドローンが空を飛ぶことになり、さらに気象情報の重要性が増してくるでしょう。
ドローンパイロットにとって分かりやすい情報発信を心がけ、積極的にご活用いただけるコンテンツを開発したいです。」
(高森さん)




【高森 美枝(たかもり みえ)】


ウェザーニューズ航空気象事業部グループリーダー。
飛行機を操縦していた経験もあり、ドローンの飛行免許も取得(※)。
「空の安全を守りたい」という強い想いでドローンビジネスプロジェクトを立ち上げ、実証実験などにも積極的に参加している。

※一般社団法人日本UAS産業振興協議会(JUIDA)が運営するドローン資格である「無人航空機操縦技能」および「無人航空機安全運航管理者」を取得。また、ドローンメーカーであるDJI JAPAN 株式会社が運営するドローン資格である「DJI CAMPスペシャリスト」も取得している。