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年賀状の引き受け開始 年賀状のルーツに「令和」の文字があった!

2022/12/14 13:36 ウェザーニュース

日本郵政では、12月15日(木)から2023(令和5)年の年賀状の引き受けを開始します。

日本郵便によると、2023年用の発行枚数は16億4000万枚で、20年前のピーク時から6割以上も減っているようです。

ウェザーニュースでは2023年の年賀状事情についてアンケート調査を実施しました。メールやSNSでの利用が広がっていますが、まだ「はがきで送る」が最も多く、全体の33%を占める結果となりました。

年代別に見ると「はがきで送る」が最も多いのは10代で45%に上ります。20代からは年代が上がるにつれて「はがき派」が増える傾向にあるようです。

メールやSNSの普及で、年賀状を出す人は減少していますが、それでも、年末年始は年賀状の準備ややりとりに追われる人は多そうです。

年賀状のような年始のあいさつは一体いつから始まったのでしょうか。年賀状の歴史などについて見ていきます。

「年の区切り」が生まれたのは飛鳥時代

年賀状といえば、はがき(特に年賀はがき)を思い起こす人が多いでしょう。

はがきによる年賀状が普及したのは郵便制度が始まった明治以降で、江戸時代までにはなかった形態です。

しかし、江戸時代までも「年賀の書状」はありました。

さらに、新年を祝い、挨拶を交わす文化や習慣の歴史に目を向けると、飛鳥時代までさかのぼれます。

6世紀半ばに百済(くだら)から日本に中国式の暦が伝わり、聖徳太子によって十七条憲法が制定された604(推古12)年に日本の暦が誕生したと伝わります。

こうして「年の区切り」が生まれ、朝廷では新年の挨拶も行われるようになっていきました。

奈良・東大寺の宝庫にある「新年を祝う言葉」

年賀状のルーツは、奈良市の東大寺境内にある正倉院に収められています。それは「人勝残闕雑張(じんしょうざんけつざっちょう)」と呼ばれる美しい布です。

人勝とは、人日(じんじつ/陰暦正月七日)の贈答品のことです。

絹織物で作られた2枚の布の人勝が、757(天平宝字1)年に東大寺に献納されたという記録が残っています。

そこには次の文字が書かれています。

令節佳辰
福慶惟新
燮和万載
壽保千春

正月七日のこのよき日、慶びを新たにして、泰平が万年も続くように、などと記されています。

ここに書かれている文字をよく見ると、「令」と「和」が含まれていることに気づくでしょう。元号の「令和」は『万葉集』からとられたとされていますが、ここにも「令和」が隠れていますね。1250年以上もの時を越えたつながりを感じます。

年賀状は1874(明治7)年から始まった!?

江戸時代になると、飛脚便が発達し、多くの書状がやりとりされるようになりました。その中には「年賀の書状」もあったでしょう。

そして、1871(明治4)年、郵便制度が始まると、書状をいっそう出しやすくなりました。

1873(明治6)年12月には、はがきが登場します。

はがきで出す賀状を年賀状とするなら、日本初の年賀状は1874(明治7)年に始まったといえます。

最初に発行されたはがきは、縦に折れたタイプで、内側に通信文を書く形式でした。二つ折りでない、単面のはがきもまもなく登場します。

当時、お正月は相手方に足を運んで、挨拶するのが主流でしたが、はがきの登場で、手紙を書き送ることが簡便になり、年賀状を送る習慣も少しずつ広まっていきました。

「謹賀新年」は明治時代半ばに登場

「謹んで新年のお祝いを申し上げます」の意である「謹賀新年」の文字は1880年ごろ(明治時代半ば)から登場します。

さらに「恭賀新禧(きょうがしんき)」や「恭賀新年」などの文字も見られるようになります。

大正時代になると、子供が年賀状を出すようにもなり、子供の絵が描かれた年賀はがきも登場します。

昭和初期の年賀はがきには「アブラエノカキ初メヲスルノ ボクハ先生 チエチャン モデル チエチャン ウゴイチャ ダメダメ」と書かれた、絵入りの年賀はがきも見られます。油絵の書き初めとは、なかなかハイカラな感じがしますね。

戦後の1949(昭和24)年には、お年玉付きの年賀はがきが発売されました。

年賀はがきの発行枚数は基本的には増え続けましたが、2003年をピークに、その後、増減を繰り返し、近年は減少し続けています。


日本郵便の公式サイトには「一通でも多くの年賀状を元日にお届けするためには、できるだけ2022年12月25日(日)までに差出しをお願いします」とあります。余裕はまだありますが、今から少しずつ準備をしておいたほうがよさそうです。
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参考資料など

『年賀状のおはなし』(監修/日本郵便株式会社、発行/ゴマブックス)、『むかしの年賀状』(編著者/生田誠、発行/二玄社)、日本郵便株式会社HP(https://www.post.japanpost.jp/question/140.html)