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週刊地震情報 2022.12.11 長崎・橘湾の地震 震度3以上は5年ぶり

2022/12/11 10:25 ウェザーニュース

この1週間で国内で観測された有感地震の回数は前週とほぼ同じ水準です。

西日本は近畿から中四国で地震がなかった一方、九州で多くなりました。関東陸域の地震も目立っています。震度3以上の地震は4回発生しています。(12月5日~11日10時の集計)

国内:橘湾でM3.4 長崎市で震度3観測

橘湾の地震
5日(月)10時14分頃、橘湾を震源とするマグニチュード3.4、深さ14kmと推定される地震が発生しました。この地震で長崎県長崎市で最大震度3、諫早市、雲仙市、南島原市で震度2を観測しています。橘湾を震源とする地震で震度3以上を観測するのは、2017年6月以来、5年ぶりです。

今回の震源は雲仙断層群が知られている領域です。雲仙断層群は島原湾から島原半島を経て橘湾にかけてほぼ東西に分布しています。多数の断層から構成されており、その走向や変位の向きから、雲仙断層群北部、雲仙断層群南東部、雲仙断層群南西部の3つに区分されます。

雲仙断層帯の地震のうち、橘湾で発生したものとしては1922年に発生したマグニチュード6.9の「島原地震」があり、島原半島南部を中心に大きな被害をもたらしました。

政府の地震調査研究推進本部は雲仙断層帯が活動した場合、マグニチュード7を超えるような地震の発生する可能性があるとしています。

国内:鹿児島湾ではM4.1で震度3

鹿児島湾の地震
8日(木)22時30分頃、鹿児島湾を震源とするマグニチュード4.1、深さ9kmと推定される地震が発生しました。この地震で鹿児島市や指宿市、鹿屋市などで最大震度3を観測しています。

鹿児島湾を震源とする最大震度3以上の地震は2017年11月以来で、こちらも5年ぶりです。地震のメカニズムは西北西ー東南東方向に張力軸を持つ正断層型と解析されています。

鹿児島湾周辺は鹿児島湾東縁断層帯や鹿児島湾西縁断層帯の短い活断層が知られています。また、火山活動も活発な地域ということもあり、火山性の地震も多い地域です。

2017年の7月にはマグニチュード5.3の地震が発生し、最大震度5強の揺れに見舞われており、火山だけでなく地震への備えも必要といえます。

世界:サモアでM6.7の地震 津波の発生はなし

世界のM4.5以上の地震(USGSホームページ引用/ウェザーニュース加工)
アメリカ地質調査所の解析によるマグニチュード6以上の地震は1回発生しました。最も大きな地震は南太平洋サモア近海で発生したマグチュード6.7です。

日本時間の5日(月)の早朝、南太平洋・サモア近海でマグニチュード6.7、深さ約36kmと推定される地震が発生しました。地震のメカニズムは北北東ー南南西方向に張力軸を持つ正断層型と解析されています。

太平洋津波警報センターは、震源が近かった米領サモア向けに一時TSUNAMI ADVISORYを発表していましたが、津波の発生がなかったため間もなく解除しました。

サモア周辺は太平洋プレートとオーストラリアプレートの境界に位置し、プレート同士が複雑に入り組んでいるため、様々なタイプの地震が発生します。今回の震源の近くでは2009年にはマグニチュード8.1の地震が起きました。

参考資料など

※日本国内の震源・震度の情報は特に記載が無ければ気象庁より。海外の震源情報は特に記載が無ければアメリカ地質調査所(USGS)より。発表機関により震源情報に差が生じることがあります。