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冷え対策には「熱めのお湯」「ぬるめのお湯」どっちが正解?

2022/12/13 07:41 ウェザーニュース

冬の幸せのひとつといえばお風呂。寒くなるにつれて熱めのお湯に浸(つ)かりたくなる人も多いのではないでしょうか。

ウェザーニュースで入浴時間や湯温についてアンケート調査を実施したところ、「熱め・短時間」が全体の40%と最も多い回答となりました。次いで「ぬるめ・短時間」が30%、「ぬるめ・長風呂」が21%、「熱め・長風呂」が9%という結果に。
「短時間」という回答に絞ってみると全体の7割を占めています。12月は年末の忙しい時期ですから、お風呂はささっと短時間で済ませがち、という人も多いのかもしれません。

湯温は「熱め」と「ぬるめ」がほぼ半々で分かれる結果に。好みもあると思いますが、湯温によって体への効果に違いがあるそうです。冷え対策によい温度などの入浴方法について、株式会社バスクリンの“チームお風呂博士”に教えていただきます。

冷え対策によいのは、熱め? ぬるめ?

「冬にしっかり温まるためにおすすめなのは、40℃程度のぬるめのお湯です」と、“チームお風呂博士”のひとりで、(株)バスクリン つくば研究所の石澤太市さんは言います。

でも、寒さの厳しい冬は熱めのお湯でしっかり温まりたい! と思ってしまいます。

「ぬるめにお湯にゆっくり浸かることで、体を芯まで温める効果があります。また、ぬるめの入浴は自律神経にも作用して、リラックスすることで冷え対策にも効果的です」(石澤さん)

冷え対策の入浴法について詳しく教えていただきましょう。

冷えのメカニズムと効果的な入浴法

常に手足の冷えに悩まされている人は多いもの。冬は特につらく、重ね着などしてもなかなか解消されません

「手足などに冷えを強く感じるのは、血行の悪くなっていることが原因とされています。自律神経には交感神経と副交感神経がありますが、運動不足やストレスなどの影響で交感神経が優位になると、手足など抹消の血管が収縮して血液が十分に行き渡らなくなってしまうのです。

入浴には、温熱作用、静水圧作用、浮力作用の3つの効果があり、冷え対策にも役立ちます。温熱作用により体が温まり、静水圧作用によるほどよい圧力により血行がよくなります。湯船に浸かると浮力作用によって体への負担が軽減してリラックスします。体が温まるだけでなく、副交感神経が優位になり冷えの改善に役立つのです。

秋冬に冷え対策としておすすめの湯温は、40℃程度(春夏など気温が高いときは39℃程度)。約10〜15分かけ、体全体をしっかり温めるのがおすすめです」(石澤さん)

冷えで寝付きが悪いという人にも、ぬるめのお湯の入浴が大いに役立ちます。

「入浴で体が芯から温まったあとは、2時間ほどで深部体温が下がり始めて眠気が強くなります。そこで布団に入る1時間半前に入浴するようにすると、スムーズに入眠できます。

ただ、入浴から就寝までに興奮したり、体が冷えてしまうと入眠の妨げとなりかねません。部屋の明かりをやや落として適度な室温に保つこと、音楽など音量も上げすぎないようにするとよいでしょう」(石澤さん)

熱めの入浴がオススメな場合は?

熱めのお湯での入浴にも、活用法があります。

「41〜42℃の熱めのお湯での入浴は、交感神経を刺激して気分をスッキリ、リフレッシュさせる効果があります。就寝前などには向きませんが、朝の目覚めをよくするには最適です。

冬は寝起きが悪くなりがちなので、41〜42℃のお湯にサッと早めに入るのがおすすめです。浴室が冷えていることが多いので、あらかじめシャワーを出して温めておくのもよいでしょう。あまり長く入ってしまうと体力を消耗してしまうので、3〜5分程度までにします」(石澤さん)

入浴も湯温と入り方で効果に違いがあるのですね。上手に入浴を活用して、辛い冬を少しでも快適に過ごせるようにしましょう。
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