facebook line twitter mail

目頭を押さえたほうが良い!? 効果を最大限引き出すための目薬のさし方

2022/12/01 14:24 ウェザーニュース

冬場はもともと湿度が低いうえに、暖房機器の使用によって室内の空気も乾燥しがち。さらにリモートワークの普及によってパソコンを使用する時間が増えたことなどもあってドライアイが起こりやすく、目薬をさす機会が増えています。

ウェザーニュースでは、目薬をさすのが上手か下手か、アンケート調査を実施したところ、「上手だと思っている」が全体の54%だったのに対し、「下手だと思っている」が46%でした(2022年11月25〜26日実施、11,415人回答)。ほぼ半々に分かれる結果で、目薬を目に入れるのが難しいと感じている人も意外と多そうです。

あまりさし方を意識せずに使いがちな目薬ですが、実は目薬には効果を最大限に引き出すためのさし方があるそうです。横浜市立大学医学部眼科学教室主任教授の水木信久先生に、目薬の「正しいさし方」を教えて頂きました。

目頭を押さえる理由

目薬をさすことを点眼(てんがん)といいます。

「正しくさすために、まず目の構造を理解しておいてください。目の乾燥を防ぐ働きをしているのは涙です。涙は涙腺(るいせん)から眼球の表面に放出されて表面を潤したり、ほこりなどの汚れを洗い落したりしてくれます。

涙はまばたきをするごとに目頭のほうへ集まっていき、涙点(るいてん)や鼻涙管(びるいかん)などの器官を経由して鼻の方へ流れていきます」(水木先生)

目頭を押さえて目薬の流出を止める

点眼した目薬も涙と混じり合って一緒に鼻やのどへと流れ込みます。のどの奥などで苦さを感じることがあるのはこのためです。

せっかく目薬をさしても流れてしまっては効果が薄まってしまいます。目薬がのどへ流れないようにするには、どうすればいいのでしょうか。

「目薬が涙点から鼻涙管へ行かないようにするには、さした後に1~5分間、まぶたを閉じて目頭を押さえておくのが効果的です。目薬を目の表面に長い間残しておくことで成分が吸収されやすくなり、より効果が増します。

点眼後に目全体へ目薬を行きわたらせようとして、まばたきをする人は多いのですが、むしろ逆効果です。涙と同じように目の構造上、まばたきをするとかえって目薬が鼻涙管へ流れやすくなってしまいます」(水木先生)

知っておきたい、正しい目薬のさし方

正しい目薬をさす方法を教えて頂けますか。

「点眼前には必ず手を洗って、清潔にしてください。目薬は片目に1滴ずつで、容器の先端がまぶたやまつげ、指にも触れないように注意しましょう。

目薬をさしたら、先ほども言いましたように、静かに目を閉じて、目頭を押さえてしばらくそのままでいてください。あふれた目薬はティッシュなどで優しく押さえ、ふき取ります。

また、特に高齢者の方などは、目薬がしっかりと目に入らないことがあります。目から外れてまぶたに落ちているケースもよく見受けられます。それを防ぐためには、下まぶたを引いて、そこにたらすように点眼する方法もおすすめです」(水木先生)

目薬の効果を高めようと、つい2~3滴たらしてしまう人も多いようですが。

「目の中にためられる涙の量は20〜30μl(マイクロリットル)程度で、点眼薬の1滴の分量は30〜50μlですので、2〜3滴さしてもあふれてしまうだけなので、点眼は1滴にとどめてください。

あふれた目薬に入っている成分が目の周囲の皮膚に付着すると、かゆみやかぶれのもとになったり、成分によっては色素沈着を起こしたりする可能性もあります。

また、目薬を多量に使用すると、涙も洗い流されてしまいます。涙は油層・液層などの3層構造になっていて、角膜への栄養や酸素の補給や目の乾燥などを防ぐためのさまざまな成分が含まれています。目薬のさしすぎはむしろ目に悪影響を与えてしまうのです」(水木先生)

手元が不安定な人は「げんこつ法」

「げんこつ法」というさし方があると聞きました。

「手元が不安定で目薬をこぼしやすかったり、点眼容器の先端が目に触れたりしがちな人向けのさし方です。

右利きでしたら左手を握ってげんこつを作り、人差し指を下まぶたにあてて軽く下に引きます。顔を上げてげんこつの小指側に容器を持った右手を載せて固定し、1滴を確実に点眼する方法です。

容器が固定され、先端がげんこつの分だけ目から離れますので触れてしまう危険性が減ります。慣れないうちは、鏡を見ながら容器の先端が目の上にあることを確認してください。それでもうまくいかなければ、点眼補助具も販売されていますので、医師や薬局に相談してください」(水木先生)

目薬は1滴さしたらまばたきをせずに、しばらく目を閉じるか目頭を押さえておく。この正しい使い方で目の乾燥を防ぎ、ドライアイの予防とパソコン作業の快適化などにも役立てましょう。
» アプリ お天気ニュース記事一覧» お天気ニュース記事一覧