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保管NGの場所はどこ?カセットボンベの正しい保管方法や捨て方

2022/11/26 14:09 ウェザーニュース

暦の上ではすでに冬を迎えて、温かい鍋物を味わう機会も増えています。家庭で鍋を囲む際の必需品といえば手軽で便利なカセットコンロですが、特に液化ガスが入ったカセットボンベの取り扱いには注意が必要です。

カセットボンベの正しい保管方法や捨て方など、普段から心がけて置くべき点について、一般社団法人日本ガス石油機器工業会に聞きました。

カセットボンベの使用期限は?

カセットコンロに指定されているボンベを使用したり、表示通りに正しく装着したりすることは「基本のき」ですが、そのほかにカセットボンベで注意すべき点はどのようなことでしょうか。

「最初に心がけておいて頂きたい点は、カセットボンベにも使用期限があるということです。カセットコンロも同様ですが、ボンベの内部にはガス漏れを防ぐためにゴムの部品が使われています。

ゴムは年月を経るにつれて劣化していく素材ですから、使っていないボンベでも劣化は進んでいます。コンロの使用期限は約10年とされていますが、ボンベは製造後約7年以内を目安に使い切ってください。

製造年月日は2013(平成25)年10月1日以降、すべてのメーカーが統一してボンベの底面に8ケタの数字で記載するようになりました。『20211125』と記載されていれば、2021(令和3)年11月25日の製造品ということになります。

いまから7年前というと2015(平成27)年11月にあたりますね。

「使用期限が近づいたボンベは調理やお湯を沸かすといったことで早めに使い切ってください。使用期限内のボンベも製造年月日をチェックして、古いものから順に使い、消費した分を新しいボンベで補充する『ローリングストック』を心がけるようにしましょう」(日本ガス石油機器工業会)

保管NGの場所とは?

カセットボンベを保管しておく際に注意すべき点は何でしょうか。

「カセットボンベは、使用後にガスが残っていたら、コンロから外してキャップをし、40℃以下の湿度の少ない、落下しにくい場所に保管してください。ガスコンロや暖房機の近くや直射日光の当たる場所などは、40℃以上の高温になる可能性が高いので避けてください。

新品のボンベを保管しておくときも同様です。40℃以下の湿気の少ない場所で保管するようにしてください。

近年はアウトドアでカセットコンロを使う機会も増えていますが、直射日光が当たるような場合、車の中は40℃以上になりますので、ボンベを車内に置いたままにすることはやめてください」(日本ガス石油機器工業会)

ガスが残ったままの廃棄は要注意

使い終わったボンベはどのように捨てればよいのでしょうか。

「ボンベは内部のガスが空になるまで使い切ってから捨てます。ガスが残ったままのボンベを捨てては絶対にいけません」(日本ガス石油機器工業会)

コンロの火が消えたからといって油断はできません。ボンベが空になったかどうかを見極める方法はあるのでしょうか。

「ボンベを振って『シャカシャカ』と音がしたら、ガスはまだ残っています。音がしなくなったものだけを捨てるようにしてください。ガスが残った状態で捨てると、ごみ収集車内や焼却施設でボンベが爆発する可能性があります。

缶に穴を開けて残ったガスを出そうとすることも、大変危険なのでやめてください。ガスを使い切って空になったボンベは住んでいる地域の取り決めに従って捨てることも大切です」(日本ガス石油機器工業会)

たとえば東京都港区では、ボンベを入れたごみ袋に『キケン』や『スプレー缶』などと分かるよう表記することや、ほかの不燃ごみとは分けて別の袋で出すよう定められています。

ガスの再充填は違法

空になったボンベはもったいない気もしますが、再利用は可能なのでしょうか。

「空になったボンベに再度ガスを詰めること(再充填)は、違法行為にあたります。ガス漏れや爆発の危険がありますので、絶対にやってはいけません。

カセットコンロの使用説明書にカセットボンベの正しい使い方も明記されています。よく確かめてコンロもボンベも正しく使うよう心がけてください」(日本ガス石油機器工業会)

手軽に鍋物などが楽しめるカセットコンロですが、正しい使用法を守って寒い季節ならではのグルメを楽しみましょう。
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