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大切なのは手が荒れる前からのハンドケア 皮膚科医に聞く手荒れ対策

2022/11/08 13:18 ウェザーニュース

空気が冷たく乾燥し、手荒れが気になる季節がやってきました。そこで欠かせないのがハンドクリームですね。野村皮膚科医院(横浜市神奈川区)院長の野村有子先生に、効果を上げるためのポイントを教えていただきます。

手荒れは見た目だけの問題ではない

冬は空気が冷たく乾燥するために、気づくと手がカサカサ、シワシワになっています。頻繁な手洗いや消毒に、ますます手荒れが進むのも憂鬱です。

「皮膚というのは、細菌などの外部の異物から体を守り、水分の蒸散を防ぐなど、とても大切な部位です。特に頻繁にものに触れる手の皮膚は、健やかに保つ必要があります」(野村先生)

大切なのは、手が荒れる前からのハンドケアだといいます。

「皮膚がカサついたりシワシワになるのは、水分を十分保持できていないからです。手荒れは、微細な“傷”がある状態。手荒れが進んでしまうと刺激に弱くなり、かゆみや痛みを感じたり、回復するのも難しくなったりします。

かさつきやかゆみに気づいたら、ていねいなケアを心がけましょう。そして、乾きを感じる前から保湿することが一番です」(野村先生)

見落としがちな3つのポイント

「ハンドクリームを使っているのに手が荒れる」という人は塗るだけで大丈夫だと思っていないでしょうか。見逃してしまっていることがあるかもしれません。

(1)しわ、爪の境目、水かき、手首にも


ハンドクリームの基本は、適量を全体にムラなく塗ることです。目安は人差し指の第一関節分ぐらい。多めのようですが、しっかり塗るために必要な量だといいます。

「指1本1本、塗り残しがないよう丁寧に塗ります。指の関節のしわ、爪との境目、水かき部分、手首の4ヵ所が、塗り忘れの多い部位です。また、荒れやすい部位には、重ねづけします」(野村先生)

(2)手洗いのたびに塗る


感染症対策で、手洗いや消毒の機会が多くなっています。忘れずにハンドクリームを塗りましょう。

「手を洗うということは、汚れを落とすのと一緒に、洗う前に塗ってあったハンドクリームも落とすことになります。手洗いは、その後のハンドクリームでのケアまでをセットで考えましょう。

家庭なら手を洗う場所ごとに、使いやすいポンプタイプのハンドクリームを常備して、外出時は持ち歩きやすいチューブタイプのハンドクリームをカバンに入れておくといいでしょう」(野村先生)

(3)ローション・乳液の併用も


ハンドクリームをあえて手の甲だけに塗ることはないでしょうか。手先が滑りやすくなったりベタベタするのを嫌って、手の一部にしか塗らないケースです。

「保湿は手全体に行うのが基本です。ベタつきが気になるなら、日中はローションや乳液など軽いタイプを全体に使いましょう。乾燥が強い部分に、クリームを重ね塗りします」(野村先生)

手を使わない就寝中は、油分の多いハンドクリームでケアします。

「寝る前にハンドクリームをしっかり塗りましょう。たっぷり塗った後に、綿など天然素材の手袋をすると効果的です」(野村先生)

皮膚はとてもデリケートです。正しいケアで、すべすべな手を守っていきましょう。
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