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秋ハイキングでの服や靴の泥汚れ対策、防水スプレーの上手な使い方

2022/10/29 11:27 ウェザーニュース

秋の気配も深まり、ハイキングや紅葉狩りに絶好のシーズンがやってきました。ただし、この時季の山間部は平野部に比べて天気が変わりやすく、降水確率予報が0%であっても突然の雨に見舞われて服や靴が濡れ、泥汚れが付着してしまうこともしばしばです。

そんなとき役に立つのが防水スプレーです。その基本的な使い方やどんな衣類に効果的なのかを、防水スプレー分野で半世紀以上の歴史を持つスリーエム ジャパン株式会社に伺いました。

防水スプレーの使い方の6つの基本

ハイキングに出掛ける際、防水スプレーの効果と基本的な「使い方」を教えて頂けますか。

「まず、ひと口に『防水スプレー』といっても、衣料・繊維用や皮革用などさまざまな種類があります。それぞれ成分と処方が異なるので、用途に適したものを選ぶようにしてください。

ハイキングの際、とくに役立つのは『衣類・繊維製品用』の防水スプレーです。着用する予定の服へ事前に防水スプレーをかけておくと、現地で急な雨に見舞われても雨水をはじく効果があるため泥汚れが付きにくくなり、濡れた衣服が肌にべっとりとまとわりつくような不快感もなくなります。

衣類・繊維製品用防水スプレーの『正しい使い方』は次の6つのポイントです」(スリーエム ジャパン)
「スプレー缶には使用に適した素材、使用できない素材が明記されています。それらを確かめてから使うことが大切です。

また、汚れているものにスプレーすると撥水(はっすい=水分をはじくこと)効果が長持ちしませんので、洗濯して汚れを落とした衣類に吹きかけると効果的です。

念のため、事前に目立たない部分や購入時のサンプルなどに少量吹きかけて、シミ、白化、色落ちしないかなどを確かめてみるといいでしょう。

防水スプレーは屋内でなく、風通しのよい屋外で使用するのが鉄則です。まんべんなく均一にスプレーするためには、2回に分けて使用した方がいいでしょう。スプレーする量の目安は生地表面がしっとり湿るくらいです。

撥水剤が定着する前に衣類が濡れてしまうと効果が薄れますので、しっかり乾燥させてから着用してください。乾燥時間は製品によって異なりますので、スプレー缶に記載されている乾燥時間を守るようにしてください。衣類・繊維製品用防水スプレーが完全に乾いて、効果を発揮するまで約20分以上かかるのが目安です」(スリーエム ジャパン)

白地のものへの使用は不可!?

衣類・繊維製品用の防水スプレーは、どのような素材のものに使えますか。

「布製品でしたらアウターウェアやレインウェア、傘、靴、かばんやバッグに使え、撥水効果が生じます。

逆に使用できないのは布製品でも白地のかばんや靴です。必ず生じるわけではないのですが、これらはまれに黄変する場合があるので、弊社では使用できないものとしています。また、表面にウレタン・ビニールコーティングされたナイロンやポリエステルなどの化学繊維のウェアにも使用しないでください」(スリーエム ジャパン)

防水スプレーはどのくらいの頻度でかけるといいでしょうか。

「スプレーをした衣類の使用頻度にもよりますので一律には言えませんが、2週間から1ヵ月に一度くらいを目安に、効果が薄れたなと感じたら、その都度スプレーしてください。

スプレーの撥水効果は『こすれ』によって落ちるものですので、ブラシをかけたらスプレーすることをお勧めします。洗濯したりドライクリーニングに出したりした後にも、スプレーしてください」(スリーエム ジャパン)

低山ハイキングなどで使用頻度が高い、防水性と透湿性を兼ね備えた「透湿防水素材」の衣類や靴にも使えますか。

「使用できます。ただし、透湿防水素材はもともと表面生地が撥水性能をもっているので、スプレー液が浸透しにくくなっています。大量に集中してスプレーすると、乾燥した後にスプレーが浸透しないフッ素樹脂などが白く残る場合がありますので、軽くスプレーしてください」(スリーエム ジャパン)

山の天気の急変にもあわてることなく不快な思いをしないためにも、事前にしっかり準備を整えてから、秋のハイキングに出かけたいですね。
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参考資料など

取材協力/スリーエム ジャパン株式会社(https://www.3mcompany.jp/)