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東京都心は冷え込む日が増えた!? 観測露場移転の影響

2022/10/20 12:18 ウェザーニュース

今日10月20日(木)朝、東京都心では最低気温9.7℃の冷え込みとなりました。秋季、10月中旬までに最低気温が10℃未満になるのは昨年に続き2年連続です。

この記録を遡ると、2021年の前は2017年、その前は1986年にまで遡ります。30年以上も観測されていなかった冷え込みの記録が、この6年間で3回も記録されているのはどうしてでしょうか。

「東京」観測点は移転していた

1875年(明治8年)、東京での気象観測が始まったのは赤坂区溜池葵町、現在の港区虎ノ門でした。その後、観測場所は1882年に麹町区代官町、皇居北桔橋門付近、1923年に麹町区元衛町、現在の千代田区大手町、1964年に大手町庁舎構内と順に移転しています。

そして2020年に気象庁本庁舎は千代田区大手町から港区虎ノ門に移転することになりましたが、これまで100年以上続いた皇居北側での観測値との継続性を維持できるよう、大手町から西に900mほどの場所にある皇居北の丸公園内に観測場所(露場 ろじょう)が整備されることになりました。

2007年には風向風速、全天日射量、日照時間の観測について、北の丸公園内の科学技術館屋上に移設。2014年には、降水量、気温、蒸気圧、露点温度、相対湿度、雪(降雪・積雪)、気圧の観測について、新設の北の丸公園露場へ移設されたのです。

最低気温は大手町と北の丸公園で差が大きく

2012年から2014年にかけては大手町露場と北の丸公園露場の同時観測で比較検証が行われ、平年値や極値・順位の取り扱いについて検討が行われました。

この検証の結果を参照すると、最高気温では0.2℃程度の差しかなかったものの、最低気温では北の丸公園露場の方が年平均で約1.4℃低く観測されることがわかっています。最低気温が0℃未満となる冬日の日数は、4倍にもなるとのことです。

10月中旬に10℃未満の最低気温が観測される年が続出していることは、この露場移転の影響が大きいと考えられます。
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