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どうして、涼しくなったのに蚊に刺されるの!? 秋の蚊が“必死になる”理由とは

2022/10/24 08:39 ウェザーニュース

秋になったというのに、蚊に刺されてビックリすることはないでしょうか。ウェザーニュースでは8月以降も蚊に刺されているか定期的にアンケート調査を実施してきました。

「秋でも蚊は刺します」

どれぐらいの人が刺されているのか結果を見ると、9月から徐々に少なくなっている傾向はあるものの、10月17日の段階でもまだ3割以上が「刺された」と回答しており、秋が深まってきてもそこまで減っていないことが分かります。

蚊といえば夏のやっかいもののイメージですが、「秋でも蚊は刺します」といいます。虫ケア用品最大手のアース製薬に詳しく教えていただきましょう。

秋の蚊は子孫を残すために必死!?

なぜ、秋になっても意外と刺されることが多いのか…。蚊の生態を知ると、その理由が見えてくるようです。

まず、多くの人のイメージとズレていることが多いのが蚊の活動時期です。

「日本で刺されやすい蚊は、ヒトスジシマカとアカイエカです。

ヒトスジシマカは屋外に多い白黒まだらの蚊です。庭木や生垣、草むらや墓地、雑木林などに潜んでいて、近づいてきた人や動物を狙って吸血してきます。

ヒトスジシマカの成虫は気温が25〜30℃になると活発に活動します。さらに夏は人が肌を露出することも多いため、蚊に刺されやすくなるのです。

ただし、夏場以降も油断できません。ヒトスジシマカの活動は気温の低下とともに鈍くなりますが、活発とはいえなくとも10月下旬くらいまでは活動しているのです」

しかも、秋のヒトスジシマカには人を刺さなければならない理由がありました。

「ヒトスジシマカは、本州では5~10月くらいまで(月平均気温が10℃を上回る時期)に見られます。卵で越冬するので、秋の終わりの成虫は、越冬卵を産みます。

卵を産むためには吸血が必要なので、10月でも吸血してきます。成虫では冬を越せないので、子孫を残すために必死で吸血してくると思われます」

越冬する蚊もいる!?

アカイエカの存在も忘れてはなりません。

「アカイエカは、屋内に侵入してきて吸血することの多い蚊です。梅雨の時期の6~7月に活発化します。真夏にはいったん少なくなりますが、9月中旬〜11月上旬まで活動します。

また、アカイエカは越冬する蚊です。晩秋からは薄暗くて一定の温度のある場所で、雌だけが越冬します。屋外の下水溝や家屋の床下などが多いですが、屋内の押入れや玄関の下駄箱の中にいることもあります。通常は吸血せずに越冬するのですが、一部吸血して越冬するものもいます」

都市部では、他にも気をつけたい蚊がいます。

「チカイエカに刺されることがあるのです。チカイエカは、ビルの下水槽や排水槽、地下鉄の構内などで発生する蚊です。年間を通して比較的温度が下がらない環境のため、1年中活発に活動し、繁殖しています。地下鉄や飲食店、オフィスなどで刺したり、排水槽のある一般家庭で刺すこともあります」

秋以降も蚊対策は忘れないで

秋から冬にかけて、蚊に刺されても不思議はないのです。

「蚊に刺されるとかゆみで不快なだけでなく、マラリアやデング熱などの感染症を媒介する危険もあります。

秋になっても家の中で蚊をみかけたら、電気式蚊とり器や蚊とり線香を使うことをオススメします。また、秋の間は草むらなどに近づくときはなるべく肌を覆い、露出しているところは虫よけ剤を使用しましょう」

思っていた以上に蚊は長い間、活動していることがわかりました。秋も油断せずに蚊対策を忘れずに過ごしましょう。

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