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台風14号の接近に伴い特別警報発表 線状降水帯の発生にも警戒を

2022/09/17 22:17 ウェザーニュース

9月17日(土)22時、大型で猛烈な台風14号(ナンマドル)は、南大東島の北北東の海上を北北西に進んでいると推定されます。

18日(日)午後には中心気圧920hPaで九州南部にかなり近づくとみられ、鹿児島県には暴風特別警報・波浪特別警報・高潮特別警報が発表されました。九州を中心に建物が倒壊するような暴風や記録的な大雨、高潮などによる大きな被害が懸念され、厳重な警戒が必要です。

19日(月)以降は次第に東へ進路を変えて日本列島を縦断する見込みで、影響範囲が拡大します。

▼台風14号 9月17日(土)22時推定
 中心位置   南大東島の北北東約210km
 大きさ階級  大型
 強さ階級   猛烈な
 移動     北北西 20 km/h
 中心気圧   910 hPa
 最大風速   55 m/s (中心付近)
 最大瞬間風速 75 m/s
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暴風により建物の倒壊や長時間の停電リスク

18日(日)昼の風の予想
台風の進路に近い九州の沿岸部では平均で40m/s、瞬間的には建物が倒壊してもおかしくない60m/s超の猛烈な風が予想されます。

九州に接近時の速度が時速20km程度とあまり速くならない上、大型台風ということで、24時間前後の長時間にわたって、外出ができないような暴風が続く可能性があります。長時間の停電への対策や食料などの備蓄も必要です。

また、強風域の直径は1400kmと日本列島の大半を覆うほど広く、中心から離れた所でも風が強まる見込みです。西日本では20日(火)にかけて暴風や強風が続き、東日本、北日本でも20日(火)以降は風が強まるとみられます。

各地で鉄道や飛行機など交通機関に影響が出ることが懸念されます。三連休中や連休明けに移動を予定している方は、台風情報に加えて最新の交通情報もご確認ください。
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台風接近時は高潮にも警戒を

台風が勢力を保って接近することで、高潮の危険性も高まります。

中心気圧が低いことで吸い上げ効果が高くなる見通しです。猛烈な風が海から吹き付ける、九州の太平洋側や周防灘周辺などは吹き寄せの効果によって急激な潮位の上昇が懸念されます。潮回りが小潮のため比較的満潮時の潮位が低いタイミングではあるものの、沿岸部では浸水に警戒が必要です。

また、潮位の上昇によって河川が逆流し、海から少し離れた所でも影響の出る可能性があります。
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大雨による土砂災害や河川氾濫に警戒

20日(火)昼までの予想積算降水量
すでに台風の最も外側の雨雲の帯が西日本にかかり始め、九州や紀伊半島などで雨が強まっています。今後は線状降水帯が形成される可能性があり、雨量が増加する見込みです。

20日(火)昼までの総雨量は九州や中国、四国の広範囲や紀伊半島の一部で300mm以上が予想されています。特に九州の太平洋側や四国の山沿いは500mmを上回り、宮崎県の山沿いでは1000mm前後に達する可能性があります。

元々雨が多い宮崎県の山沿いでも、1000mmの雨が降るケースは多くはありません。土砂災害や河川の増水・氾濫などの危険性が高まりますので、大きな災害への備えを進めてください。
» 大雨ピンポイント影響予測(会員向け)

19日(月)以降の動きは不確実性あり

台風14号による雨・風のピーク
台風14号は九州に接近・上陸後、19日(月)の午後以降は東寄りに進む予想となっています。

現時点で連休明けの20日(火)朝の通勤・通学時間帯は、東海や北陸で雨や風が強まる見込みです。九州への接近時に比べると台風の勢力は弱まるものの、沿岸部を中心に強い風が吹き荒れ、局地的には激しい雨が降る予想です。

ただ、台風の速度や進路の変化によっては風雨が強まるエリアが変化し、関東や近畿などで影響する可能性もあります。できるだけ最新の情報を確認するようにしてください。

台風の名前

台風の名前は、国際機関「台風委員会」の加盟国などが提案した名称があらかじめ140個用意されていて、発生順につけられます。

台風14号の名前「ナンマドル(Nanmadol)」はミクロネシアが提案した名称で、有名な遺跡の名前からとられています。
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